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RollsRoyce Bentley Specialist

株式会社シーザートレーディング
TEL.
042-480-2222 (
営業時間10:00~20:00)
東京都調布市西つつじヶ丘1-58-12

ROLLSROYCEHEADLINE

SILVER-SHADOW

 
  ROLLSROYCE 
  MODEL princess Margaret's


SHADOW LWB
  YEAR 1967
  EXTERIOR VELVET・GREEN


(ベルベット・グリーン))
  INTERIOR Dark Green・Leather 

(ダークグリーン・レザー))
  PRICE \ ASK 
  MILEAGE 43.615mile


(69.784km)
  AMMENITIES



英国「プリンセス・マーガレット」特注モデル




本国仕様 右ハンドル  


国内登録 1973年6月




V8 OHV 6.23L 4速コラムAT 


全長:527cm


全幅:182cm


全高:152cm


車両重量:2260kg


乗車定員:5人




装備:


パワステ、パワーウインド、前後パワーシート、エアコン、CDプレーヤー、


ETC車載器、他フル装備



*ワンメイク特注装備 多数







内外装極美、機関当社にて完全整備渡し、稀に見る超極上車!





車検:平成26年 4月まで

 
  COMMENT





英国「マーガレット」王妃



特注 ワンメイク・モデル!






解説:



世界に1台だけしかないワンメイク・モデル。



英国ロイヤル・ファミリー「プリンセス・マーガレット」(エリザベス女王の妹)が



特注した 「シルバー・シャドウ・ロング・ホイールベース」スペシャル。






「マーガレット」王妃 (1930年8月21日〜2002年2月9日)





この方自体、大変興味深く、面白い女性であった。



後にも先にも、この方以上に 型破りなロイヤル・ファミリーは存在しまい。



ダイアナ妃が、唯一 頼った人 と言うのも うなずける。



若いころは とてつもない美人で、社交界の花、英国のファッション・リーダーでもあった。



晩年は、ミック・ジャガー他 と付き合ったというハチャメチャぶり、、。



でも、、その飾らない人柄は、国民みんなに愛されていた。




彼女の もう一つの顔



それは、ロイヤル・ファミリーきっての「ロールス・ロイス」ファンであった ということ。



彼女が最初に手に入れた「ロールス」、、、最初から すごい、、



24歳のとき、、



1954年モデル ロールス・ロイス 「ファンタム 4」HJマリナー・リムジン



世界で19台しか生産しなかった「ファンタム4」が最初のロールス!


ついで、



30歳  1960年 「クラウド2」 スタンダード・ボディ



そして、37歳、、彼女の3代目の 「ロールス」こそ、当個体である。




当個体の ご説明の前に、



ロイヤル・ファミリーは、戦後 トータル「26台」のロールス・ロイスを購入している。



その中で、一番多くのオーダーをしたのが、「マーガレット」王妃だ。



計:7台



内訳:


1. 1954’ 「ファンタム4」


2. 1960’ 「クラウド2」


3. 1967’ 「シャドウ LWB」スペシャル


4. 1971’ 「シャドウ LWB」スペシャル 


5. 1975’ 「シャドウ LWB」スペシャル


6. 1979’ 「レイス2」


7. 1980’ 「レイス2」




なんと、姉のエリザベス女王が、6台で2位、、女王より、すごい、、。


しかし、なんと言っても興味深いのは、「シャドウ」系モデルの多さ。


全5台



その理由は、ファミリーの歴史書を読んでみると、、分かる。



王妃が最初に特注した 当1967’モデル、、この個体が、大変気いったからだ。



王妃は、当67’モデルが大変気に入り、年間 およそ5000マイル(8000km)を走行、



あまりに気入ったので、4年後、ロールス社に 同じ仕様(レプリカ的な)は製作をできない


か?と依頼。快諾されて、ただちに、2台目が製作される。



それが、彼女の4台目ロールスの「シャドウ」であるが、、この個体は、外色「リーガル・レッ



ド」で ブラックのラウンドトップ張りとなっていた。 


その後の「シャドウ」は、「カーディナル・レッド」としたから、グリーン・カラーは、


当個体のみ、、他は 写真でしか見たことがないが、、正直、こっちのが好い。








それでは、王妃を それほどまでに 虜にした「当個体」を 診てみよう。




オーダーは、細部に及ぶ。



完成系のオーダー・デザイン画が完成したのが、1966年8月のことだったいう。



それから、トンテンカン、、



「マリーナ・パークウォード」の職人の腕の見せ所


であるが、完成したのは、およそ1年後、、1967年 7月19日に 納車。



では、どこが特注なのか?



まずは、ボディ



当時カタログには載っていない(存在しない)、ロング・ホイール・ベース!



当個体が、デリバリーされた最初の「LWB」シャドウってことだ。



リア部分(リア・ドア)を10cm 伸ばしてある。



無論、王妃は 後ろの席に お乗りになるから、、。



*シャドウの「LWB」は、その後、1969年から、正式に「カタログ・モデル」となる。




外装カラーの選択が 渋すぎる、、



当時、カタログにも存在していない「ベルベット・グリーン」 とくる。



このカラーは、「クラウドV」の時代まであったもの、、王妃の特別注文である。



当時 彼女は、37歳、、なんというセンスの良さであろう、、。



内装のオーダーは、全て「特注」



のちほど↓注文時の写真イラストを見て頂いた方が分かりやすいが、、





・通常の「バー・ウォールナット」ではなく、「オイルド・チーク」材のウッド



・ドアのサイドレールは、「レザー張り」



・フロントもリアもドア・ノブ、灰皿デザイン特注(素材はアルミで、メッキ加工しない)



・リア・シートは、「ファンタム4」のように ってわけで、アームレスト 3つ



・リア・シートは、電動で前後



・バニティ・ミラー形状デザイン特注(ウッドでミラーを囲まず)



・バニティ・ミラー脇にスポット・ライト



・天井サイド中央に「スポット・ライト」左右



・ハザート・ランプのスイッチは、天井ミラー上に。



・グローブBOXは、鍵つきとしない。




・フェシアにあるスイッチ類は「ブラック」カラーに



・カーペットのカラーは、「グレイ/グリーン」に


etc、、



圧巻であるが、




このオーダーで王妃の性格を垣間見ることができる。



例えば、通常「メッキ加工」されたスイッチ類は、「ブラック」に、


通常、「メッキ加工」された、ドア・ノブや灰皿、はては、ドア・ロックの棒に至るまで、


メッキさせない。



ウッドの選択も 明らかに、「地味」な方への選択だ。



なんという渋さ、、。



お人柄が偲ばれる。





さて、この世界で1台だけの スペシャル・シャドウ、、



1973年に日本で登録される。



この経緯は 不明であるが、さっしはつく。



王妃の お車を英国内では 売りにくい。



さりとて、右ハンドル、、こっそり 売れる国は、、やはり、仲の好い日本ってことにある。



日本でのオーナーは、、



棒有名地方銀行の 3代目頭取 K氏



当個体、車検証の「型式」が正規物(ディーラー型式)になっている。



ここも興味深いところ、、輸入、登録に関しては、ディーラーがおこなったようだ。




さて、このK頭取自体、大変な慈善家で有名、、、棒美術館も1973年に お作りだし、、。



それから、ずーーーと ワン・オーナー(一度だけ84’に子会社の名義に変更しているが)


K氏は、1995年 他界。



その後は、会社が保管、管理してきたようだが、、ついには、興味がある関係者が 0 に。



2006年、弊社に お譲りいただいた。



それから、当社で塗装、機関系整備 一折の手を入れたが、驚くべきことに



内装は、すばらしくキレイで、当社で手を入れることはなかった。



つまり、実走行だった。




王妃が、年間 8千キロで、4年 =32.000km



それから、お客様に販売、今回 戻ってきて 現在の走行距離が、69.784km



この個体は、「マーガレット」王妃の特注ワンメイク・モデルという 肩書き がなくても



稀中の稀の 超極上車、、これだけでもスゴイのだ。




更に、



今回の入庫後、塗装で 気なってきた箇所は、全て 塗り直した。



フロント・バンパーもメッキした。



リア・シートの座面一部にあった 革の劣化箇所は、凝りにこって オリジナル・レザーを



損なうことなく、スーパー修復職人に修復してもらった。



この個体、オリジナル・コノリーが、信じられない状態で残っているのが気に入っているから、



張り替えることなく、完全に分からないように、風合いも そのままで、、



この難しい作業、、完成に、およそ半年かかったが、、素晴らしい仕上がり、、もはや、



どこにダメージがあったのかさえ、分からないし、忘れてしまった。






「シルバー・シャドウ1」というモデルは、ロールスの歴史上でも、もっとも 極上個体を


見つけにくい。



それは、総生産台数:19.497台 という玉数の多さが最大の原因となった。



この台数は、大変なヒットモデルを表すとともに、珍しくないモデルあることも表している。



結果、流通価格は、安くなる。


安い車を 後生大事にしてくれるオーナーは、稀だ。


時が経った現在、まともな状態で残されてる「シャドウ1」など、30台見て 1台あるかないか



この 当たりを引く 確率は 一般の方なら、奇跡的、、そうなると、一般論として



「シャドウ1」は、難しい ということになる。



専門店の当社とて、ここ10年で、2台ほどしか「シャドウ1」を扱っていないのが、よい例だ。



しかし、だ。



この「マーガレット」号だけは、「シャドウ1」などいうモデル・カテゴリーに入れて、



判断するべきモデルではない。



ロールス・ロイスは、手作り。



王妃からのオーダーともなれば、ビスの1本を作る職人から、エンジンを組む職人から、内装を



手がけた「マリーナ・パークウォード」の職人から、全てが、そのセクションの最高技術者が



担当する。



当個体は、量産車にあらず!



1台の 作品なのだ。



だから、「シャドウ1」自体の説明など必要ない。


なにせ、世界に1台だけのモデルなのだから、、。








当個体、いまも 最高の 乗り心地、、



王妃が お乗りだったころと同じ、もしくは、今のが 調子よかろう。



「シャドウ」というモデルで、後世にまで残すべき個体があるとすれば、



「マーガレット」王妃がオーダーした5台以外には なかろう。



王妃は、晩年まで、「シャドウ」に お乗りになっていた。



英国一、いや 世界一 シャドウというモデルが好きな方だったかも知れない。



その理由は、 当「ベルベット・グリーン」シャドウの せい、、



その魔性の魅力は、いまも まったく変わりない。




「マーガレット」王妃は、2002年 2月9日に 永眠。



彼女が愛した当個体は、今も 年をとっていない。




リア・シートには、、37歳のマーガレットが にっこり微笑んで座っているようだ。




さて、継ぎの 「一時預かり人」は、どなたが、、。














当個体が、日本に来てくれたことに 心より 感謝する。





                               宮本 憲生