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RollsRoyce Bentley Specialist

株式会社シーザートレーディング
TEL.
042-480-2222 (
営業時間10:00~20:00)
東京都調布市西つつじヶ丘1-58-12

ROLLSROYCEHEADLINE

SILVER-SHADOW-1

  ROLLSROYCE 
  MODEL SHADOW- 1
  YEAR 1975
  EXTERIOR SHELL-GREY


シェルグレイ
  INTERIOR Black・Leather

(ブラック・レザー))
  PRICE \ ASK 
  MILEAGE 106.662km
 






ディーラー車 左ハンドル




V8 OHV 6.75L 3速コラムAT 




全長:517cm


全幅:182cm


全高:152cm



車両重量:2160kg


乗車定員:5人




装備:



パワステ、パワーウインド、パワーシート、エアコン、他フル装備









*外装 :オールペイント済み


*内装 :リペア済み


*ウッド:全て新品リペア済み







機関当社にて完全整備渡し 超極上車!





車検:2020年 8月29日まで

 
  COMMENT



「シルバー・シャドウ」





解説:




1955年〜1965年の間に生産された「シルバークラウド」の後継モデルとして登場した



「シルバーシャドウ」








「最善か無か」




開発から発売までに異常なほど時間を掛ける完璧主義者のロールス社であるが、「シルバーシ



ャドウ」の開発プロジェクトも、なんと 1954年から始まっている。




「クラウド1」の発売が、1955年のことであるから、2つ先のモデルを、54年の段階で始めてい



たのは、いかにもロールス社らしい。



当初の社内開発コードは、「チベット」(ロールス社は基本、開発コードを東洋の国名にして



いた)、後に、ベントレー版プロジェクトの「ビルマ」と合体して、開発コードが「SY」に



改められる。シルバーシャドウを総称して「SY」系と呼ぶ所以。





ロールス・ロイス社初のモノコックボディに全輪独立懸架、全輪ディスクブレーキ、ハイドロ



システム(ブレーキとショックに)を持つ最新鋭機で、1977年に「シャドウ2」にマイナ



ーチェンジするまで、およそ17年間でトータル





「16.717台」のショートホイール・ベース




「2.780台」のロングホイール・ベース
が生産された。







因みに「ベントレー」版の「T1」生産台数




ショート:「1712台」



ロングW:「   9台」




桁が違うのが ご理解いただけよう。



この台数の違いは、



人気の差



このシャドウ・デザインには、ベントレーのグリルより、ロールスのグリルが似合うと考えた



方 = 人気投票が そのまま、この生産台数の違いとなった。



確かに、ベントレーの丸いグリルだと、このボディには、少し物足りない。




この台数は、過去(シャドウまで)のロールス・ロイスのモデル中で最も多く、そのボディデ



ザインは、後の高級車マーケットにも大きな影響を与えることになる。





シルバークラウドVが、1962年に発売されたばかりだというのに早くも新型モデル投入



とは?




これは、1963年に発表された「グロッサー・メルセデス600」に対向するため・以外に



は考えにくい。



(*お陰で、クラウドVは、2809台の生産にとどまる)



たしかに、「600」の油圧システムは、当時としては超画期的なもので、天下のロールス・ロイ



ス社でさえ、一目も二目も置かざるをえないモデルであった。



この「600」を見て「シャドウ」デビューが前倒しされたのは間違いなかろう。



「ザ・ベストカー・イン・ザ・ワールド」を公言していたロールス社であるから、それ以上の



車の存在など許しておくわけにはいかない。




しかし、



当時のロールス社は、「グロッサー600」に匹敵するような「油圧システム」の独自技術は持っ


ていなかった。




そこで、一部の油圧システムを「シトロエン」の特許技術から パクることになる。



「シトロエン」は、油圧技術のエキスパートだ。




立ちはだかったのは、「ロイヤリティ」の金額、、



「シトロエン」は、今も昔も プライドと気位の高い 気難しい頑固一徹メーカーである。



それに加え、フランス人とイギリス人は、いまでさえ仲が良い とはいえない、、。






ロールス社担当者は、フランスまで、出向き シトロエンと交渉することになる。



曰く:



ロールス社 :「ロイヤルティは、いかほどでしょう?」



シトロエンからは、予想外の答えが返ってくる。




:「ロールス社が、この特許を使ってくれるなら、ロイヤルティは、無料で結構です。



 その代わり、エンジンルームの片隅でもよいので、この特許はシトロエンによる と


 
 書いておいてくれませんか?」






商談は成立した。




以後、実際にロイヤルティは無料だった。




この話で興味深いのは、



プライドの塊 2社、、



あのロールス社が、シトロエンに頭を下げたのは、目先のプライドを捨ててでも、良い車を



作りたかったわけで、、



あのシトロエンが、「無料」にしたのは、それほど、ロールス社に技術を使ってもらえること



が誇り、名誉なことだったわけだ。





ロールス社の名誉のために付け加えておくなら、



その特許は、あくまで、「一部」、具体的には、油圧のスフィアタンクのバルブボディの構造



箇所の特許であって、全ての油圧システムをシトロエンからパクっているわけではない。












「シャドウ1」は、17年間の間に2000ケ所以上の改良を行なったという。



デビュー時のシャドウは、クラウドVの6230ccV8を改良(プラグ位置がエンジン上部に移動


し整備性がよくなったのは大きい)したエンジンを積み、ミッションもロールス社研磨の



4速AT



(ただし、電気式セレクトレバーとなった)のままであったが、それこそ、発表もなしに毎年



のごとく改良、進化を繰り返した。



書き出すには、膨大すぎるので個人的に、大きな?改良と思えるものだけ羅列してみる。







1968年:・GM400型の3速ATに変更


      ・変速時ショックが少なくなり、1991年まで引き継ぐ



1969年:・室内の造作変更


      ・発電機が、直流から交流(オルタネーター)に変更


      ・フロントサスのハイトコントロール・システムを廃止、後輪のみに


   
       (整備性は大きく向上する)




1970年:・集中ドアロック機能追加。




      ・エンジンが、6230ccから6747ccに(最終まで引き継ぐ)




1972年:・「コンプリアント」サスペンションと呼ばれる新型サスに変更



      
      ・ これに伴いタイヤが、バイアスから「ラジアル」タイヤ標準に





1973年:・US、カナダ仕様がシャドウ2に先行してウレタンバンパーに



       (マイルバンパー規制により)


      ・ホーンダクトの廃止(グリル左右にあった穴が無くなった)


 
      ・サイドブレーキが足踏み式に


     
      ・フロントブレーキが、ベンチレーテッド・ディスクに




1974年 ・僅かながら ホイールベースが延長される。



      ・これに伴い、標準タイヤ・サイズがワイドに



      ・これに伴い、フェンダーがフレアする






1977年:「シャドウ2」に進化



       ウレタンバンパーに、パワステ機構がラック&ピニオンに



       室内デザインの大掛かりな変更 他







まっ、こんなところ、、乱暴に言ってしまえば、ほとんど手作りの車であるから、作業慣れし



てくる後期型になればなるほど完成度は高い。



もう少し言うなら、シャドウは年々コストダウンのためと整備性向上のため、メカニズムが



簡略化されていく・・通常、コストダウンは、ユーザーにとって有り難くない話であるが、



シャドウだけは、別で、初期モデルのメカニズムが複雑すぎたため、簡略化された後期型に



近いほど、維持費は安いし、実用性は、高くなる。













さて、やっと当個体の お話






ディーラー車・左ハンドル



初年度登録は、昭和50年(1975年)10月登録




フェンダーがフレアした最後期型の「シャドウ1」




以前弊社で販売させていただいた「シーザー認定号」!






前回、複数オーナーではあるが、、縁あって当社入庫。



近年、「シャドウ1」の まともな個体は、まず見ることは無い。



仕入れて、そのまま売れる なんて個体は、99.9% ない。



仕上げて後世に残そう と思える個体でさえ、稀だ。




前回入庫時は、走行距離:99.855Kmで 記録簿もなし



であるが、数字に惑わされるほど素人じゃない、この個体は、



私の審査基準(車屋としては、おそらく世界一厳しい)をクリアしたので入庫、、。



こいつは しっかり生きていた。



最初に入庫したのは、、平成25年10月のこと、、



それから、ずーーーとレストア



3年後、やっと完成、「シーザー認定中古車」となった。




今回は、オーナー様の のっぴきならない ご都合で里帰り。




現在: 106.662km!



レストアされたクラシックカーに走行距離は関係なし。 野暮ってもん。






「シャドウ1」は、もはや、誰かがボランティア活動して、お金をかけ、後世に残すしか道は



ないところまできている。




流通相場の下落で、安価な「シャドウ1」に正しい保守管理、費用を費やすオーナーも激減した



のが原因だ。



すべての「シャドウ1」を救うことはできない、、なぜなら、もう手の施しようがない個体が



大半だから、、。



フレームまで腐ってしまっている個体や大事故車は、残念ながら、臓器ドナー(パーツ取り)



となるしかない。



「後世に残すべきシャドウ」の候補車輌は、全てにおいてダントツ世界一の耐久性を誇る



ロールスでさえ、、もう今現在の段階で、極僅かしか生き残っていない。



だから、正しい状態に戻せる「シャドウ1」を見つけたら、しょうがない、やるしかない、、



レストアを。



問題は、それから、、



とにかく費用のほかに、望む姿に復元してくれるスーパー職人が 各分野で必要となる。



ほかのメーカーの車ならともかく、ロールスの復元(レストア)となると、簡単ではない。



ロールス社の職人級の「腕」の持ち主が必要となる ということ。



幸いにも当社のバックには、長い年月の間に私のプロデュースに完璧に答えてくれる職人が



育っている。



が、信頼にたる職人の数はすくない。当社のメカニックを除けば、、



板金職人 1名、塗装職人 1名、内装張替え職人 1名、内装リペア職人 1名、



ウッド・リペア職人 1名、電気技術職人 1名、 ガラス・リペア職人 1名、



デント職人 1名、鍵職人 1名、ガラス交換職人 1名、などなど



ほぼ各分野で 1名しかいない。



1台のクルマを仕上げようとすれば、上記全員の力が必要となる。









当個体の場合




外装:オールペイント



内装:オリジナル・コノリーをリペア



ウッド:総リペア(オリジナル・ウッドを新品仕上げ)




むしろ、この程度で済んだのは、当個体が生きていたからだ。




仮に、内装を総レストア(革張替え、カーペット張替え、ウッド・レストアなど)する必要あ


り、外装はボディ下地までアウト、機関系も大掛かりな重整備を要すような個体を 



レストアするとなると費用は 最低でも、1千万円〜



それでは、適正販売価格を大きくオーバーしてしまう。



当個体のように肝心な箇所は生きている個体でなければ救えないのである。






外装:シェル・グイレ



ウレタンで塗装してあるので、今後の管理は楽。



今も、艶々





内装:ブラック・レザー




コノリーの贅沢すぎる張り方は、シャドウにおける見所!



シート座面や背もたれ面が、1枚革という、、この贅沢張りは、シャドウが最後になった。



このシート、どこの席に座っても「ザ・ロールス・ロイス」を堪能できる。






ウッド:バーウォールナット



この時代には、まだ、素晴らしい原木が採れたみたいだ。



こぶ目は細かく、芸術的な模様を描く。



「シャドウ」の室内は、まるで、美術館だ。



新品レストアした艶めくウッドは、見ていて飽きることがない。






「シャドウ1」 当個体とて、生産されてから、45年



「中古」は、卒業し、、「クラシック・カー」となる年頃。



ロールスは、中古車のうちは安いが、クラシックと名がつくと、とたんに高額になる。



「シャドウ1」も、海外では、英国を中心に、その動きを加速させている。




お気軽に乗れる金額で、「極上シャドウ1」を所有できるのは、今だけだ。



もっとも、将来は、いくらお金を出しても極上シャドウなど存在しなくなっているかもしれな


い。




「シャドウ1」の最大の特徴は、「アイアンバンパー」を持つラスト・ロールスということ。



このアイアン・メッキの輝きとロールス・パルテノンのマッチング、、最高だ。



どっこからどうみても、、美しい。



いいクルマだ〜



だが、、前述のとおり、まともな個体がない ってのが困りもの。



さらに、一番重要なのは、「機関系」



「シャドウ1」は、正しく整備された個体でなければ、乗れない。



それでいて、正しく整備された個体が、ほぼないから、ざっくり総括としてアドバイスするな



ら「シャドウ1は、やめておいた方が得策」というになる。




シャドウを完璧に理解し、整備できるメカニックは日本に少ない。



だが、当社には、日本屈指のメカニックがいる。



だてに30年もロールス屋を営んできたわけじゃない、、彼らは進化している。











当社のような どうかしてるほどの納車整備を無料で施す業者など 世界にないはず、、。



仮に 気持ちがあっても、スーパー・メカニックがいない。



仮に 外注すると、売値を超えてしまう。





そんなわけで、専門店の当社でさえ、「シャドウ1」を販売すること自体 滅多にない。




久しぶりに扱う「シリーズ1」



作りなれした最終期モデル



気になる箇所はレストア済みで、シーザー怒涛の整備付き



このパターンしかあるまい、、「シャドウ1」を買うなら、、。












まずは、お写真、怒涛の「100枚」を ご参考に  ↓





*機関系の解説は、最下部に






   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
 





エンジンは、言わずと知れたロールス製・総アルミ合金・V8 OHV 6747cc。



1970年に6230ccから6747ccに排気量UPしてからアルナージ(〜06’)まで排気量



基本設計を変えることなく使用され続けていた。*ターボなどを付けてドーピングはするが。



伝説のハンドビルド・エンジンである。




100万マイル(160万キロ)耐久と言われる このエンジン自体に もはや説明は不要であろう。



オーナーより、長生きするエンジンなので、あれこれ考えるのは、、死んでからで間に合う。





シャドウで、特徴的なメカニズムは、やはり、ブレーキとリアサスに使用されている油圧システムであろう





よく、シトロエン特許の・・・と書いてしまうので、シトロエンの「ハイドロニューマチック」をそのまま



使用している・・と勘違いしている方がいらっしゃるが・そうではない。



シトロエンが特許を持っているのは、「油圧調整バルブ」の部分のみであって、全体の油圧システムは、



ロールス独自のものである。



ブレーキ系統は、ほぼ完全に油圧に依存しているが、サスペンションは、フロントには使用なし(68年で



廃止)、リアには、自動車高調整も加え、油圧システムが使用されているが、完全に依存しているものでは



ないので、シトロエンのDSのごとく、エンジンを切ると車体が、ぺったんこに下がってしまうものではな



い。5cmほどリアが下がるのみである。





また、シャドウ系と80年からのSZ系では、理屈は同じながら、油圧システムは変更されている。



使用するオイルも、シャドウ系は、植物系のカストロール「RR363」、、SZ系以降は、鉱物系のカスト



ロール「ミネラルオイル」、、双方、逆に入れてしまうと、オイルラインは全滅し(ゴムが溶ける)、大変



な費用を要すことになるので最大の注意が必要。



ロールス社は、植物系のオイルから鉱物系のオイルに変更した際、、鉱物系の方が植物系より、より製品に



バラツキが少ないであろうから・・と説明した。・・・流石。






この油圧システムに、ご興味がある方がいらっしゃれば、実車を見ながらご説明させていただく、、



それのが、分かりやすい・・・



文章で書くと、、例えば、、



エンジンをかけると、エンジンVバンク前後にあるオイルモーターが作動し、NO1,NO2のオイルタンク



からオイルが循環しはじめ、、一つのオイルラインは、メインアキュームレーターへ入り、そこから、全ブ



レーキに2本づつのオイルラインへ(1本がダメになってもブレーキを利かせるため)、で、、もうひとつ



のオイルラインは、リアサス上部にある「ラム・シリンダー」へ、更に、、、




なんて、分けがわからなくなってしまいそうだが、、実際には、そんなに難しくはない・・・飛行機会社な



らではの安全面を重視した、素晴らしく好く考えられたシステムである。




ここで使用されるメインアキュームレーターは、SZ系とは、パーツが異なり、シャドウ(SY系)は、オ



ーバーホールキットが出ているのでオーバーホールすることが出来る。



SZ系の1.5倍ほど長持ちするが、3年くらいおきには、オーバーホールしたほうが好い。いくらもしない。









この年式(75年)の「1」と77’〜の「シャドウ2」との機関的な最大の違いは、



ステアリング機構





「シャドウ1」:「リサーキュテング・ボール」



「シャドウ2」:「ラック&ピニオン」





一般的に「ラック&ピニオン」のが反応がクイックで優れている と思っている方が多いかも  だが、



それは、間違い(好きずき)。 リサーキュ・・の方がコスト的には遥かに高額なのだ。



そう、、変更した一番の要因は コストダウン



「ラック&ピニオン」は安価な量産型、「リサーキュ・・」は高級品。



多くの自動車メーカーが「ラック&」を採用したが、メルセデスだけは、頑なにW210になるまで使い



続けた。そこは、実に評価できる。



「リサーキュ・・」は頑丈で長持ち、走行環境によるパワステの重さも変動が少ない。



「ラック&・・」に慣れた方が乗ると、ワンテンポ遅れてハンドルが切れる感覚であろうが、



それがクラシック・ロールスの味わい、、実は 優れものなのである。















基本、シャドウの(全てのロールスの)維持費は、




1km走行当たり:100円は最低でも覚悟しておくべし





これは、あくまで「覚悟」であるが、、もしも、年間維持費に予想予算を決めておきたいなら、



予算分だけ乗ればよいだけの話。



年間予算が30万円なら、年間走行距離を3千キロくらいに とか。






それでも、その維持費が他の個体に比べ(うち以外で購入した)、最安になるよう、当社で在庫しているう



ちは、うちが「一時預かり人」として自身で納得のいく保守、管理、整備を施させていただく。



そこは、専門家、世界一自信がある。



そして、つぎにオーナーになった方も、また、「正しく」後世に残すべく、



「一時預かり人」の任務を遂行していただきたい。



なあに、、うちがついているから、大丈夫、困ることなど何もない。




こんな楽しい任務も、そうあるもんじゃない。






「シャドウ1」と暮らす日々、、



想像しただけで ワクワクする