株式会社シーザートレーディング
TEL.042-480-2222 (営業時間10:00~20:00)
東京都調布市西つつじヶ丘1-58-12
AUTO MAKER | ROLLS-ROYCE |
MODEL | SILVER SPUR TURBO |
YEAR | 1997 |
EXTERIOR | SHERWOOD-GREEN (シャーウッド・グリーン)) |
INTERIOR | SAVANNAH・SPRUCE /LEATHER (サバンナ・レザー/スプルース・パイピング) |
PRICE \¥ | ASK |
MILEAGE | 27.210km |
AMMENITIES | ディーラー車 左ハンドル V8 OHV 6747cc ライトプレッシャーターボ 全長:541cm 全幅:189cm 全高:148cm 総重量:2655kg 定員:5人 *装備: Wエアバック、チルトハンドル、ABS、 全席パワーシート+全席シートヒーター Fメモリーシート(4人分)+Fランバーサポート、ピクニックテーブル、 バニティミラー、 CDプレーヤー 他フル装備 内外装機関共に稀に見る超極上車! 車検: 平成29年 6月3日まで |
COMMENT | 「シルバースパー・ターボ」 1904年から続いた純粋なロールス社経営の最後の年、1997年、シルバースパーにターボ ・チャージャーを装着した「スパーターボ」が販売された。 「シルバー・スパー」は、「シルバー・シャドウ」の後継モデルで、1980年発売、ロー ルス社の社内コードにならい、通称「SZ系」モデルと呼ばれる。 発売以来、ロールスの慣習に従い、毎年のごとく、公表なしで、各部改良が繰り返される。 世界中の販売網から寄せられた僅かなクレームやアドバイスを分析し、より最善へと改良さ れていくのである。 それでも、1959年、シルバークラウド2から採用された伝統の「V8」エンジンの基本構 造は大きく変わってはいない。 まず、1986年(一部85年から)には、キャブからボッシュ製のインジェクションへの 変更があったが、名前を変えることはなかった。 シリーズ名が更新するのは、、 1990年、オートライド・サスペンションや自己判断機能付きインフォメーションパネル の採用、内装デザインの変更に伴い、やっと「スパーU」に、、 1992年からは、3速ATから4速ATに(シリーズ名は更新せず) 1994年には、ダイレクト・イグニッション・システムの採用や内装の変更で 「スパーV」に、、 1996年には、16年ぶりに、ボディにまで至る大幅改良が行われ、 「スパー4」、、とは命名されず、最初からのモデルと言う意味で、当初の「シルバースパ ー」のみの名称に戻った。(事実上のシリーズ4であるが、、) この際、内装のデザインも大幅に変更になっている。 そして、翌1997年、ターボ付きモデルが追加・・・ それが、当「スパーターボ」である。 「スパーターボ」は、97年から、、98年発売の「シルバーセラフ」にバトンタッチするまで の僅かな期間に「381台」が生産」された:と、これまでの解説文には書いていたが、 これは、どうやら間違いであった。 最新の研究者・資料によると(*この業界、研究者・資料は新しいほど正しい) 「スパーターボ」の生産台数は、「442台」 これは、生産中止の情報を聞いた世界中のSZ系ファンが、駆け込みオーダーを入れたため 生産期間が延びせいだ。 1997年:281台 1998年: 85台 1999年: 75台 2000年: 1台 トータル:442台 日本の場合は、98年の「セラフ」発売と同時にカタログから落としたので、97年末に オーダーされた方のみ、98年シリアルとなったはずであるが、、 興味深いのは、99年と00年の「76台」、、これをオーダーされた方々は、 「セラフ」を見たあとにオーダーしたものと思われる。 誠に感慨深い、、その76名、、本物のロールス・エンスージャストの面々であろう。 ロールス・ロイスに「ターボ」が付いた車は、その性能もさることながら、歴史的にも興味 深い。 永い歴史のなかで、ロールス・ロイスのターボ付きカタログモデルは、 1. 95年:フライングスパー 限定50台(134台説も有る) 2. 95年:コーニッシュS 限定25台 3. 97年〜スパーターボ *厳密には、97年〜99年の間に生産された「ウィズ・デヴィジョン」と「パークウォー ド」リムジンも「スパーターボ」がベースなだけに「ターボ付き」ではあるが、、 思うに、、国内には、上記の内、片手に足る「95’フライングスパー」、「コーニッシュS」 は、輸入された形跡がない、、 当スパーターボが30台くらいしかないはずである。 タービンはギャレット社製、ライトプレッシャーターボ、、確かにトルク感があって乗りや すい、、ターボ無しモデルとでは、乗って違いが分かる、、最高速度は、軽く200kmを凌駕 する。(最高速度225km) 95年までの「ターボR」と同等の性能を誇る。 当然ながら、あえて、控え目の出力(ライト・プレッシャー)に押さえたのだ。 このモデルは、完全に実用向き、SZ系モデルの最終進化系、、完成度は非常に高い、、 眺めてる場合ではない。 じゃんじゃん、乗って、ロールス製エンジンの凄さを体験するべし。 世界中の自動車メーカーが束になっても、この過剰品質エンジンの耐久性に敵う車はない。 さて、当個体、 ディーラー車 左ハンドル 以前弊社で販売させていただいた「シーザー認定中古車」 走行距離は、27.210km! この段階で間違いのない1台。 走行距離に見合う素晴らしい〜コンディションである。 もっとも、走行距離に関係なく、保管環境が悪ければ、こんなコンディションでは残って いない。 過去3名のオーナーさまが、皆 大切に保守、管理:のバトンを渡してきた証拠。 レザー、ウッドには 日焼けもなく、コノリーレザーは、スレ、ヤレもなく、しっとり、 ロールス自慢の「バー・ウォールナット」には、クラックが、、なんと、まったくない! どんなに完璧な保管環境でも、うっかり 付いてしまう 有りがちな、シートベルトを 外したときに金具がドア・レールのウッドに当たってつく、キズ もない。 お見事! 新車の状態を 如何に維持するか・・に徹底していたような、、そんな1台、 そのせいか? まったくの ドノーマル。(スモークフィルム以外) オーディオさえ当時のままだ。 カセットデッキにCD6連チェンジャー ウッド・コンビのステアリングは、当時の純正オプション、、30万円ほどの、。 この個体は、「外装」「内装」「機関系」の3つの項目にわけて、更に 詳しく解説させていただこう。 では、当個体、下記より 写真73枚 とともに 更に詳しく↓ |
外装は、「シャーウッド・グリーン」。 当時の新色 実に美しいグリーン・メタリックである。 このグリーン・カラーを 明るめの・と表現するか、濃い目の・・と表現するか、難しいグリーンである。 太陽光のもとでは、鮮やかな と言って良いグリーン・メタリック ところが、夕暮れ、太陽が沈むと、濃い目のダーク・グリーンに見える。 メタリック粒子は かなり細かく、ギラついた塗装では、まったくない。誠に上品。 これは、飽きのこないカラーである。 ボディサイドには、内装カラーに合わせた ベージュ系色のコーチラインが2本入ってる。 ロールスに コーチラインは、つきものだ。 ここまでキレイな個体も珍しいので、通常なら気にならないレベルの僅かなコキズ(例えば、ドア・エッジ のコキズなど)なども、前回入庫時に、全てリペアした。 万全。 全長:541cm、、ロングホイール・ベース。 97年時には、ターボ無しモデルの「シルバードーン」も存在したが、いまだ、当社にも1台しか入庫した ことがない。 「シルバードーン」自体は、97年と98年に「150台」生産(オーダー)されているが、日本では人気が なかったようで、90%以上の方が、「ターボ付き」を選択したようだ。 リアのドアが10cm短い「スピリット」は、97年時コーンズのカタログから消え、特別オーダー受付のみ の扱いとなる。 「ターボ付き」は、特注しない限り、「スピリット」には設定がなかった。 ロングホイールと聞くと、長いと思われる方も多かろうが、やたらハンドルが切れるので、驚くほど取り廻 しが良い。 メルセデスのSクラスが入れる道なら、困らず ついていけるはず。 96年時の大幅改良は、初めて、ボディにまで及び、 ・フロント廻りのボディプレス(左右フェンダー形状など)、 ・前後のバンパー・一体式エアロスポイラー、 ・ミラーがボディと一体式に、 ・グリルの縦横比(縦が少し短くなった)、 ・アルミホイール(16インチ)デザイン、 ・マドガラス枠サッシにウェザーストリップが、、 ・内装デザインも大幅に一新 などが変更に、 これは、全て 空力を計算した上での結果で、高速走行時の風切り音は、明らかに激減した。 ベントレーのモデルについては戦前から「空力」を考えたボディ作りがなされてきたが、 こと ロールスのモデルでは、この96年モデルで初めて考えてみたのではなかろうか?? 95年以前モデルを、上記改良がなされた96’以降モデル仕様に後から変更(改造)するには莫大な費用を要 す、、一般的には不可能である。 SZ系までのモデルは、スタンダード・サルーンでも、開閉部(ボンネット・トランク・ドア4枚・給油口 )は全て「アルミ」製、戦後モデルの伝統であったが、この後のモデルから総スチィール・ボディとなる。 コスト・ダウンは、まず、ユーザーが気が付かないであろう箇所から 行われるのだ。 ロールスの「コスト」は、見えない箇所に掛けられていた、、このモデルまではね。 |
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内装は、「サバンナ」レザー。「スプルース」パイピング。 内装のカラー選択も完璧だ。 「サバンナ」というレザー・カラーは、一見、ベージュに見えるが、良くみると、「グリーン」が混ざって いる。 だから、外装色にピッタリ! これに、ダッシュボード、シート・パイピング、カーペットが「スプルース」とくる。 「サバンナ」と「スプルース」=松の葉 とのマッチングが、当個体においては大正解だ。 内装コンディション、、これ以上は望めないほど素晴らしい。 前述のとおり、 「ウッド」をリペアした形跡がないにも係わらず、「クラック」が どこにも発生していないのは奇跡的で あろう。 この「クラック」=表面のひび割れ、、ウッド自体が割れるのではなく、表面にコーティングされているクリ ヤ面に割れが発生するのではあるが、通常10年も経てば、少しはクラックが発生してしまうものである。 この個体は、実に奇特だ。 いまや見ることは出来ない(2002年末でコノリー社は自動車メーカーへの革供給業務を停止)コノリー 張り、、ビニールやプラスティックの類いは、ほぼ使用されていない。 ダッシュボード、ハンドル、ウエリントンのカーペットの縁を飾る革まで、「コノリー」レザーだ。 96年からのモデルは、内装も一新され、ロールス・ロイス・4ドアサルーンモデルとしては、初めてセン ターコンソールがダッシュに繋がった。 これは、スパーは、完全なショーファードリブンの車ではないってことをメーカーも暗示させたってこと。 ショーファードリブンの場合、運転手は後部シートに座るオーナーのドアを開ける際、左右どちらのドアか らも内側から降りられる必要がある、、つまり、センターコンソールが切れていなければ、運転手が移動し ずらい。 後ろにだけ乗るなら、リムジンが正しい(スパーは、リムジンではない)。 コーニッシュは、先駆けて86年から、センターコンソールがダッシュに繋がったが、もちろん、コーニッ シュは、オーナーが後ろに乗る車ではない。 で、スパーも、オーナー自ら、堂々とハンドルを握ってよし。 運転手に見られそう、って?、、後ろにお乗りになるオーナーは、とっくに、正しいリムジン(ファンタム やパークウォード)の後ろに お乗りになっているので、ご心配なく。 もう一つ、 96年以降のSZ系モデルの内装で特筆したいのが、、 「バー・ウォールナット」張り部分の面積の拡大、、 センターコンソールが繋がったお陰もあるが、、高級感UPとともに、より、クラシカルになった。 オーディオ部を「ウッド」のフタで隠したり、灰皿部を「ウッド」で隠したり、、芸が細かい。 左右シンメトリー張り(ブックマッチ製法)ウッドの伝統工芸も健在。 後部のエアコン吹き出し口が追加されたのも96’以降から、、些細なことだが、後ろに座る方にとっては、素 早くエアコンの恩恵を受けられることになった。 リア・シートも、パワー&シートヒーター付き。ターボなしモデルの「ドーン」だと、この装備はない。 当個体のウリは、この◎コンディションと 内外装カラー選択の妙であろう。 |
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生粋のロールス・ロイス製V8・OHVエンジン。 ギャレット社のタービンを積むライトプレッシャーターボは、誰もが認めるベストマッチング。 本職である 多くのメカニックが、このエンジンを絶賛する。 100万マイル耐久設計と呼ばれ、恐ろしく屈強な、このエンジンは、「ベントレーアルナージ」シリーズ に引き継がれ使用された。(2009モデルまで) このエンジン、オーナー様が生きてるうちに壊れることはない。 2人1組で80時間を要してハンドビルドされる、このエンジン、、過剰品質も いいところで、100年先 まで考えていて「ロールス」社以外で、作るものはいない。 10万分の一の精度まで追求、、ビスの1本まで、自社生産、、そして、そのビス1本のクォリティは、 ジャガーの5倍増ってところだろう。 このエンジンが、飛行機のエンジンなら理解できるが、、 実際に、私がロールス社を訪問した際も「クルー」工場内で、航空機エンジン・パーツの一部を作っていた 工場内を案内してくれたロールス社の広報の方 曰く: 「自動車のエンジンを作るのも、飛行機のエンジンを作るのも 弊社にとっては同じことです」 スタンダードの4ドア・サルーンにして、職人の魂が宿る。 「シルバースパー・ターボ」、、本物のロールス・ロイスである。 更に、当個体は、「シーザー認定号」、機関系の心配は ご無用。 余談: 「シルバー・スパー」の名前の由来 *まず、「シルバー」の名は、古い歴史を持つ、、 1906年11月のモーターショーでデビューしたロールス・ロイスの新作モデル「40/50」hpは、その 性能を宣伝するため、 早くも翌・1907年6月、ロンドン・グラスゴー間 15000マイル(24000km)・ノンストップ・ラン・ レースに挑戦する。 結果、 14392マイル(およそ23.000km)という驚愕の距離をノンストップ(ガソリンの給油時以外)で走破し、 ロールス・ロイスの信頼性を世界中に知らしめる。 この時の、ボディ・カラーが「シルバー」、、 ロールス社は、音も無く静かに走行する車・という意味を込め、、この車に「シルバーゴースト」と命名し ていた。 この「シルバーゴースト」から全てのロールス・ロイスの伝説が始まる。 そして、戦後モデルから、ロールス・ロイスの4ドア・サルーンは「シルバー」の名が頭に付くことが伝統 となる。 「シルバードーン」 「シルバーレイス」 「シルバークラウド」 「シルバーシャドウ」 「シルバースパー」 「シルバーセラフ」 因みに前述の1907年式「シルバーゴースト」は、1948年にロールス社に買い戻され、たしか、日本 にも2度ほど来日したことがある。 この車、すでに100万km以上を走行しているが、、いまだに、音も無く静かに走行する。 *「スパー」、、、 「スパー」の名については、私の見解である・・から定かではないが、、。 ロールスの歴史上「SPUR」の名称が初めて登場するのは、1957年のことである。 名門コーチビルダー「HJマリナー」社が、ベントレーの4ドア・スタンダード・サルーン「S1」のシャー シをベースに、空力が考えられた高速ツーリング向け 4ドア・スポーツ・サルーンを発表する。 このモデルの名が「フライング・スパー」。 名づけたのは、当時の「HJマリナー」のマネージャー「タルボット・ジョンストン」氏、、、 理由は、「ジョンストン家」の紋章が、「鳥の羽根の生えた拍車」であったから (この場合のスパーは、乗馬の際に履くブーツに着ける拍車を指す)、、 正に「フライング・スパー」であったのだ。 このモデルは、1957年から1966年の間に生産され、今も尚、名車中の名車と評され、スタンダード ボディの3倍から5倍くらいの金額で取引されている。 「HJマリナー」社は、後に、ロールス社に買収され、「フライング・スパー」の名前の権利もロールス社 (現:ベントレー)が引き継ぐ。 で、80年登場の新型SZ系モデルに、この「フライング・スパー」の「スパー」のみを使用したものと思 われる。 日本人には、拍車って言われてもピンとこないが、、、イギリスにも、日本同様、「物事に勢いを増す」・ ことを「拍車をかける」という意味の言葉があり、その場合、使用される単語は「SPUR」だ。 そう考えれば「シルバー・スパー」、、、なんとなく理解できる。 近年、ベントレーを買収したVWが、名車「フライング・スパー」の名を復活させ、4ドア・サルーンを 販売している。 2ドア・クーペは、「コンチネンタルGT」 ベントレーファンなら誰しも「フライング・スパー」、「コンチネンタル」と聞けば、高性能モデルを想像 する、、、、VWも少しは歴史を勉強しているらしい、、。 さらに、ロールスの名を買収したBMWが最初に出したモデルが、「ファンタム」、、 そして「ゴースト」、クーペで「レイス」、そのオープンカーが「ドーン」、、 どれも、往年のロールス・モデルとくる。 VWもBMWも、プライドを捨てて、ロールス・ベントレーの過去のビッグ・ネーム・モデルを再利用して いる。 それほど、「過去」のモデルが凄かったってことだが、、褒められて、うれしいような紛らわしいような。 私は、1台のクルマを説明するのに「歴史」から入るが、、その理由は、 ロールス級のクルマになると、歴史を理解した上で、お乗りになったほうが正しいと思っているからだ。 そして、そのことは 結果 私は、長い経験の中で 知っている、、 あなたに 幸福をもたらすことを ね。 |