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Rolls-Royce Bentley Specialist

株式会社シーザートレーディング
TEL.
042-480-2222 (
営業時間10:00~20:00)
東京都調布市西つつじヶ丘1-58-12

ROLLSROYCEHEADLINE

SILVER SERAPH

 
  AUTO MAKER ROLLS-ROYCE  
  MODEL SILVER SERAPH 
  YEAR 1999 
  EXTERIOR PEAL-WHITE

(パール・ホワイト)
  INTERIOR BARLEY-Leather(FRENCH NAVY- Piping) 

(バーレイ・レザーにフレンチネイビー・パイピング
  PRICE \ ASK
  MILEAGE 99.090km
  AMMENITIES


ディーラー車 左ハンドル  





V12 5379cc SOHC 24バルブ (BMW製エンジン)



326馬力 


トルク:50.2kgm


最高速:225km


0−100km :7.0秒







全長:539cm


全幅:193cm


全高:151cm


総重量:2575kg


定員:5人



*装備:


Wエアバック、サイドエアバック、 全席(4座)パワーシート+シートヒーター、


F:メモリーシート4人分+ランバーサポート、電動チルトハンドル、


ウッド張りコンパニオンミラー、ピクニックテーブル、クロームメッキ・ドアミラーカバー、


メッキ・純正ホイール



ETC車載器、 他フル装備



*ナビ付きながら、古い機種なので、無し(と思ってください)





内外装機関共に 極上車!




車検:平成27年12月18日まで


 
  COMMENT


「シルバーセラフ」!






解説:



1980年から発売されていた「SZ系」モデルの18年ぶりの後継モデル「シルバーセラフ」。



1998年から2002年の間にだけ生産され、総生産台数は、「1570台」。



この台数は、非常に少ない、、例えば



同じ98年から02年の間に生産された同じボディを持つ「ベントレー・アルナージ」の



生産台数は、「3455台」、「セラフ」は、この半分にも満たない台数しか世界に



存在しないことになる。



同様に、国内にも、「セラフ」は少ない。



単純にロールス・ロイスとベントレー(全てのモデル含む)の98年から02年までの国内



総輸入台数で比べても、ベントレー「317台」に対してロールスは「219台」と、



100台ほど少ない。



セラフは発売当初「3180万円」税別のディーラー価格、対して、ベントレーアルナージ



は「2980万円」税別、、セラフは200万円も高額なモデル・・多くのユーザーがベン



トレーに流れた、、。



この「219台」の中には、各モデル(スパーターボ、シルバードーン、ツーリングリムジ



ン、NEWコーニッシュ、パークウォード、中古新規登録)が含まれている。



各モデルごとの輸入台数は不明であるが、セラフが少ない・ことは、ご理解いただけよう。






「最高位の天使」、「妖精」などを意味する「セラフ」・・



1907年に命名された「シルバーゴースト」からの伝統に従ってロールス・ロイスのモデ



ル名は、手で摘めない(実態の無い)もの・・とくる。




*シルバーゴーストの名の由来は、、



1907年、シルバーに塗装された1台の40/45PSモデルが、15000マイル・ノンス



トップ・ラン大会で、14371マイル(22994km)をノンストップ走破という驚異的な記



録を叩き出す。



この段階で、世界一の称号



音も無く走行する まるで幽霊のような この車を「シルバーゴースト」と名づける、、



「シルバー〜」の伝統は、このモデルから始まった。








「シルバーセラフ」デザイン(アルナージも)は、当時のロールス社のチーフ・スタイリス



ト「グラアム・ハル」氏によるものだ。



1947年生まれ、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの修士号を取得した後、1971年



にロールス社入社、1996年からチーフ・スタイリストとなる。



シャドウ1の時代からロールス・ベントレーのデザインにかかわってきて、十分な思い入れの



ある人物、、コンチネンタルRや未発売に終わった94年のベントレーの小型2ドアモデル



「コンセプト・ジャバ」(一般市販されず、数台作ったが全てブルネイの国王に販売)なん



かも、彼のデザインによるものだ。



セラフは、1994年から「P3000」の社内コードで、SZ系モデルの後継モデルとして開発が始


まる。



つまり、セラフは、98年にロールス社に乗り込んできた「BMW」や「VW」の作品ではな


いのだ。



ロールス社自身でデザインした最後の4ドア・サルーンが「セラフ」なのである。



*開発の段階で、BMW製のエンジンを積む予定については、双方(BMW&ロールス)の


合意が得られてはいたが、、。




彼のチームは、総勢 僅かに5名、、だが精鋭だ。



デザインは、ボディデザインのみならず、インテリアの全て、、シート形状からハンドル、



シフトレバーetcまでの全てのデザインが彼のチームでデザインされる。



ボディデザインは、60年代の「シルバー・クラウド」をモチーフに空力を現代的に追求し



たものと言われている。



そのせいか、セラフが走り去る後姿、斜め45度は、まさに、「クラウド」を彷彿される。



デザインは、あくまでも古き良き時代・の 「それ」であるが、設計は最先端、、



ロールス初の「3次元CADシステム」(コンピューター支援設計)が用いられた。



空力、剛性は、徹底的に煮詰められ、、、ボディパネルをワンプレスの特殊スティール製に



するなど、、以前モデル(SZ系)から、ボディ剛性は、なんと65%も向上させている。





近年、アンチ・NEWファンタム派の方々などにより、「セラフ」は人気が出てきた。



価格もお手ごろ、、と言うより不当に安くなった上、、やはり、「クルー工場」生産物まで



を本物のロールス・ロイス・とする方は多い、、。





ついでに



「シルバーセラフ」が短命に終わった理由について おさらいしておこう、、。



ロールスの販売台数(オーダー数)は、バブル崩壊、1992年以降急速に



落ち込んでいく。



リストラなどの措置が行われたものの、会社経営は行き詰まっていた。



このロールス社の経営難を救うべく親会社の「ヴィッカーズ」社(1980年に買収)は、



1998年4月、航空機部門で付き合いの深かった「BMW」社に「ロールス」社を売却する



ことを決定する。*打診の段階では、「トヨタ」にも声をかけた、、買わなくてよかった。



売却額:3億4000万円ポンド。



これが、そのまま成立していれば、「セラフ」は、あと10年は作り続けられていたであろ



う、、。



ところが、この買収を「VW」グループが聞きつけ、割って入る、、



そして1999年4月、買収額を上乗せした4億3000万円ポンド(約1000億円)の



買収額を提示する。



同年、6月、高額な買収額に株主が合意、、「ロールス」社(ベントレー含む)は、正式に



「VW」に売却されることとなる。



が、購入してみてビックリ、実は「ロールス・ロイス」の商標は「ヴィッカーズ」所有では



なく、「ロールス・ロイスPLC」社(ロールスの航空機部門)が所有、、別売りだったの


だ、、。、



BMWも困ったが、VWも困った、、2社は協議、、




結局BMWが「ロールス・ロイス」の商標(過去のロールス・モデルのブランド名含む)を



4000万ポンド(100億円弱)で購入することで合意、会社(クルー)を去る。



この時、BMWからVWに、ロールスの商標を貸し出す期限は、2002年末までの契約と



なっていた。



これが、「セラフ」短命のシナリオである。























さて、やっと当個体の お話、、





ディーラー車・左ハンドル 




以前弊社で販売させていただいた「シーザー認定中古車」



現在3オーナー。




下取りでの再入庫となったが、入庫後、仕上げ直した。



どっからどうみても「キレイ」!



走行距離は、まず信じられないほど。  だから、信じなくても 良い。






この個体のセールス・ポイントは、2つ。





1つは、「外装」




「パール・ホワイト」!



これは、純正色ではない。前々オーナー様により、「シルバーテンペスト」から



オールペイントされている。



通常オールペイントは、うれしくない  が、この個体の場合は、、そうでもない。



並みの お金のかけようではない。



ドア4枚、ボンネット、トランク、前後ウインドガラス、ランプ類、ステップモールなど



外せるものは、全て外して、、全バラシした上で、塗装されている。



塗装職人さんの「腕」も好い。



で、どこにも、元色は残されていない。



カラーナンバーで確認しなければ「元色」は判別できないから、このカラーを新車時に



ロールス社に特注した と思ってしまう。



さらに、、センスが好かったのか、たまたまラッキーなのか、、



「パール」が下品ではないのだ。



パールマイカの粒子が細かく、一見 クリームホワイトに見えてしまうほど、、



が、近くでみると、完全に真珠色  奇跡的に? 上品な仕上がりとなっている。



塗装コンディションも、今尚、問題なし。きれいだ。



この外装色は、世界に一台だけ



人が乗っていないクルマに乗る ってのは、なんとも気分がよい。







2つの目のポイントは、「機関系」



ディーラーさんにて、万全の整備を施し続けてきた個体。



前回入庫の時点で、2006年〜2000年までの整備明細だけでも金額にして:540万円



そこから、当社自慢の怒涛の納車整備がプラス、、現在も絶好調。



とはいえ、今回ご購入いただいた方には、またまた怒涛の どうかしている整備を施した上



ご納車させていただく。



= 無敵!







内装は、「バーレイ」レザー、、ベージュ色?に「フレンチ・ネイビィ」パイピング。



距離なりのスレがあったりしたが、日本一の腕を持つ職人さんにて、リペアした。



もちろん、オリジナル・レザーのまま。



この手の内装リペア、、へたな職人が施工したのでは、意味がない。



むしろ、やらない方が好い。ぜーぜん ダメにしてしまう例が大半。




ただし、天才にして努力を惜しまない奇特な才能を持つ職人の手にかかれば、話は別。



私は、「修復職人」と呼んでいるが、それは、重要文化財を修復し後世に残す職人のごとし



、、そんな職人がいる。 一人だけ。



彼の仕事は、、「作品」だ。





それでは、ラスト・ロールス・ロイス





更に詳しくは ↓下記より 写真72枚と共に







 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   


  外装は、「パール・ホワイト」。  







日本の場合、一番人気のカラーは、「ホワイト」であるが、この「パール・ホワイト」が仮に純正色に



あったなら、その上をいく人気色になっていたはずだ。



前述の通り、「シルバー」からの塗り替えであるが、この個体に限っては、、大正解。







全長:539cm、以前のSZ系モデル80’から95’までのロングホイールベース車:538cmより、1cm長く、



96’から98’の間のロング(スパー)の541cmより、2cm短い、、まぁ ほぼ同じ、伝統のサイズ



トランク容量は、SZ系より24L増、374Lとなっている。



セラフは、内外装のデザインが変更されただけのマイナーチェンジモデルではなく、中身も まったく新設



計のニューモデルで、以前モデルと共有している箇所は、ほぼ見当たらない。



おそらく、以前パーツと共有しているものはエアコンの吹き出し口の丸いメッキパーツのみだと思われる?





フレームごと新設計、、ボディ剛性は、60%増し!  以前モデルとは別次元物。



ドアのゴムシールは3重!



以前モデルでは、気にする方も多かった走行時の風切り音も劇的に軽減されている。






ホイールは、専用デザインの16インチ・アルミ、、わざとアルミの上にカバーを被せて、クラシカルなデ



ザインに見せている。



こういう「わざと」を 仮に他のメーカーが やってしまうと ちゃちになる。




この個体は、オプションの「メッキ」ホイールを選択しているが、これも正解で パールホワイトには



よく似合っている。









「セラフ」の最大の魅力は、実用度の高さと、この優れたデザインであろう。



クラシック・ロールスを髣髴される 丸っこいボディ、、




なんとも上品で 愛らしい。







 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   



 
 
内装は、「バーレイ」レザー




フレンチネイビーのパイピングが効いている。



ダッシュにステアリングもフレンチネイビー。



更に、天井内張りが、バーレイで、サンバイザーとグラブハンドル(吊輪)が フレンチネイビーとくる。



センス好し。






大切に乗られてきた個体であるから、「革」自体は、問題なしであったが、どうしても走行距離なりの



スレなどはでる。  で、前述のとおり、リペア済み。



もちろん、新品仕上げしたのではない。 いい塩梅に修復したのだ。



私のプロデュースを忠実に実現してくれるスーパー職人さんに感謝。










この時代は、まだ、伝統の「コノリーブラザー」社製レザーが使用されている。今となっては超貴重品。



「コノリー」社は、2002年末をもって、全ての自動車メーカーへの内装用レザー供給事業から撤退した





この2002年末・ってのが ポイント、、「セラフ」が生産中止となった年である。



「コノリー」社からロールス・ロイスに供給されるレザーは、トップグレード「オートラックス」シリーズ



の頂点グレード「10%トップグレード」と呼ばれるレザーで、このグレードはロールス社にしか納品しない



、その年、最良のレザーは全てロールス社に、ってわけ、、。






「オートラックス」自体は、ジャガーやアストンでも使用していたが、グレードが、ぜんぜん違うのだ。



しかし、ご想像の通り、このグレードは極端に高額である、、ロールス(BMW)、ベントレー(VW)



とも新たな経営者は、採算主義、、とても使えない。



ロールス・ベントレーが使ってくれないのなら、「コノリー」社とて、意地で作り続けてきた意味がない、



、、、世界中のVIPを魅了してきた「コノリー」の内装レザーは、もう見ることが出来ない。



*厳密に言えば、「セラフ」で使われたレザーは、以前モデル(SZ系)のとは異なる。


 
 ご興味があれば、ご来社いただいた折に、、。








お約束の80年以上物ものの胡桃の木の根っこを使用する「バー・ウォールナット」も良い状態のまま



残されている。



ジャガーなんかのウッドはペキペキ割れやすいが(その代わり安い)、ロールスのウッドは物が違う。



ここまで、稀少で高価な「ウッド」を惜しみなく使用している車など他にありえない。



伝統のピクニックテーブルには、このウッドが表裏ともに張られている、、無論、ロールス社自身の職人に



よる象嵌細工入りで、中心から左右シンメトリーの模様(マッチボックス製法)となる。




この左右シンメトリーにウッドを張る自動車メーカーは、ロールス社(現在のベントレー社)しか存在しな



い・と現在のベントレー社ホームページ上でも書かれてる・・完全に自慢らしい。






Cピラー裏のバニティミラーも本物バーウォールナットで囲む、、、伝統のバニティミラーは、




女性のお化粧直し用、、、昔から付いている。




「セラフ」は標準装備でベントレー「アルナージ」ではオプション装備、、



まったくもって、分かっているメーカーである。






レザーの縫い方もスゴイ、、。



ステッチには4種類の手法が使い分けられている。



とくにダブルステッチの技法には熟練の技が必要という、、



その職人をもって、ハンドルの仕上げだけで14時間を要すというからハンパではない。




この卓越した職人芸は、もはや、単に「車の内装」ではなく、「伝統工芸品」の域である。



新車価格は、3000万円ほどであったが、近年、本当に3000万円の価値のある車など、滅多にお目に



かかれるものではない。










以前モデルのロールスからお乗換えのお客様にとって、もっとも便利になったと感じる装備は、エアコンで


はなかろうか、、



以前のダイヤル式、温度は不明・・から、温度が数字で決められ、左右分離式になったのは、近代車なら



当然の装備ながら、ロールスには、やっと、、の装備で、有益なこと この上ない。





センターコンソールのフタを開けた中には、「ドリンクホルバー」が2箇所、リア用にも2箇所、



以前モデルでは、ドリンクホルダーなど、もってのほか、、、考えられなかったが、、、



悔しいことに、あると便利、、。






全席(4座)パワーシートにシートヒーター付き。



どの席に座ろうが、世界最高サルーンの何たるかが理解できる空間である





 
   
   
   
   
   
 




 
エンジンは、BMWの7シリーズに使われる12気筒をベースにロールス流に味付け、、、





足回りも、前後ともスタビ付きのダブル・ウィッシュボーン、、、



ブレーキシステムも別物(全輪ベンチレーテッド・パワーディスクブレーキ)、、



もう、以前のスフィアタンクを介す油圧ブレーキは使われていない=カストロールの「ミネラルオイル」は



使われていない。 



(普通のブレーキオイル=DOT4) 




1965年(シャドウ発売時)より続いた伝統儀式、、オーナー自ら「ミネラルオイルを足す」から、



33年の時を経て、やっと開放されたことになる。



日常のメンテナンスは、ドイツ車と同じ、、と思って頂いてよい。



もはや、「セラフ」の車としての信頼度は、ドイツ車に勝るとも劣らないレベルまできている。



それでいて、「乗り味」は、あくまで「ロールス・ロイスのそれ」なのだから、、うまい。この機関系だけ



BMWってのが、ポイント。100%、ボディまでBMWが作ったのでは、ロールス・ロイスじゃない。







メーターは、240kmまで表示、、最高速度は、225km、、長い年月を経て完成されつくしたBMWが誇る



12気筒エンジンに死角はない、、ご説明は割愛するが、当社とて、この「セラフ」は、もう随分整備・



研究してきた。



楽勝である。












一つ付け加えておくなら、、



「セラフ」は、以前のロールスのように100年先まで残るモデルではないと思う。



エンジンも雰囲気 50万kmほどしか持たないのではないか?、、このモデルは、後生大事にしまってお



く車ではなく、普段の足として、メルセデスやBMWみたいに、じゃんじゃん乗ったほうが正解。




楽しんだ者勝ち。



新車価格:3180万円のときなら、一服してしまうが、、いまや、この個体の値段では、クラウンの上級



モデルすら買うことはできない。




気がねすることはない。





創業時から「セラフ」までの全ロールス・ロイス・モデルの中で、「日常の足」としてなら、



ベストな選択が「セラフ」であろう。














1枚の写真:




2002年 「セラフ」の最終ロッドの生産が終了したとき、



クルー工場の前に 全スタッフが並び、記念写真が撮影された。




スタッフと共に いっしょに並んでいたのは、



もう2度と生産されることのないロールス・ロイス、、




「セラフ」と「パークウォード」、「NEWコーニッシュ」、




3台が 誇らしげに並んでいた。



ラスト・ロールス・ロイス





そう、、これが、クルー工場スタッフとクルー製ロールス・ロイスとの最後の1枚であった。