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Rolls-Royce Bentley Specialist

株式会社シーザートレーディング
TEL.
042-480-2222 (
営業時間10:00~20:00)
東京都調布市西つつじヶ丘1-58-12

CAESAR COLLECTIONSHEADLINE

CITROEN

 
  AUTO MAKER CITROEN 
  MODEL 2CV-6  
  YEAR 1989(1990登録)
  EXTERIOR
Yellow&Glay


(イエロー&グレイ コンビカラー)
  INTERIOR  Salmon Pink

(サーモン・ピンク&ホワイト)

  PRICE \ ask 
  MILEAGE 32.870Km
  AMMENITIES


本国仕様・新車並行車 左ハンドル  



(国内登録1990年) 




             
空冷水平対向2気筒 OHV  602cc   



4速MT




33馬力/7000rpm




全長:384cm


全幅:148cm


全高:158cm



重量:590kg



定員:4人




*装備:




・ETC車載器



 
それ以外 なんもなし、、、それが 2CV






車検:2年付き渡し

 
  COMMENT




2CV-6





「CHARLESTON」







「フランス」という国、、「シトロエン」という自動車メーカーがあるから



侮れない。 




「シトロエン」ほどの変態(良い意味で)メーカーを知らない。




私のような変態自動車愛好家が 放っておくわけがない。




1919年創業のシトロエンであるが、変態の中の変態と言わしめた代表的



モデルは、



34年に発売した業界初の「モノコック・ボディ」&「前輪駆動」を持つ



「トラクシオン・アヴァン」、ついで、素敵な宇宙船号「DS」に、




マセラティ・エンジンを積む、その名も ピッタリな、、「SM」




そして、なんといっても 当「2CV」!




近年のシトロエンは、プジョーグループの一員となり、その変態性を無くして



しまったが、昔は、並みの変態では付いていけないほど、はんぱじゃなかった






「2CV」というモデルの開発は、1935年の夏から始まっている。




この年の7月、シトロエンの創業者「アンドレ・シトロエン」は、



あまりの強行的変態ぶりで、会社は混乱、、ついには、




余計なお世話なレストラン紹介本で有名な「ミシュラン」に身売りすることに



なる。




ミシュランから送り込まれた副社長(後に社長)「ブーランジュ」こそが、



2CVの生みの親だ。




「ブーランジュ」は、35年 夏のバカンス、フランスの農村オーヴェルニュ地




方を訪れる。それで見かけたのは、人力や牛馬で苦労して荷物を運ぶ農家の



実態だった。




そこで、農村向け低価格&小型車の開発を思い立つ。



それは、「ミシュラン」本社の大量生産できる大衆向け自動車を作りたい




という構想とも合致していた。



なにせ、ミシュランは、お節介本を出版する以外に、巨大タイヤ・メーカー



でもあるから。 基本、タイヤを大量に売りたい。




1936年 開発が始まる。




当初は「TPV」というモデル。








開発にあたり、最初に「ブーランジュ」が指示した内容が面白い。




1.乗員のほかに50kgの じゃがいもを載せて走れる。



2.籠一杯の生卵を積んで農道を走らせても卵が割れないように。



3.運転に不慣れな、もしくは、へたくそな女性でも容易に運転できる。



4.日曜日に家から50km離れたところまで、1時間から1時間15分で到着できる



5.バカンスに、、400km離れた場所まで、1日で走っていける。



6.5リッターのガソリンで、100km走れる。



7.トラクシオン・アヴァンの3分の1の販売価格



8.シルクハットを被ったまま乗れる。




実際に、試作車が完成したときは、ブーランジュ自ら車に乗り込み、



被っているシルクハットが触れば却下、、作り直しになったという。




「ブーランジュ」の身長は、190cmを超える、、。




「ブーランジュ」も「アンドレ・シトロエン」同様 いい感じの変態



だったのである。








そんなこんだで、開発には時間がかかり、実際に発表されたのは、



戦後、1948年 10月 パリ・サロンであった。




最終的なボディデザインは、イタリア人社内デザイナー「ベルトーネ」に



よって完成。彼は、「トラクシオン・アヴァン」や 後の「DS」もデザイン



した天才的変態である。 *しつこいようだが、「いい意味で」。








「2CV」=「2馬力」というモデルを見たものの多くは、、ブーイング、




見たこともないほどの簡素な作り、、変態以外には理解できないカタチで



あったからだ。




しかし、中には、すでに洗脳済み熱狂的シトロエン・マニアが存在していて、



彼らは 口を揃えて こう答えた。




「シトロエンが、出した新型車であれば、目をつぶってでも買う。




 シトロエンという会社は、優れた車しか作らないから、、」




変態の鏡である。







1949年11月から、デリバリーが始まる。




最初のモデルは、375cc、9馬力(2馬力というモデル名は当時の税法上の為)



これが、当初の予想を反し、アホほど売れた。



農民のみならず、若者にもバカ受け、また、都会に住む者達にとっては、




お洒落な自転車がわりに、老若男女問わず、受け入れられた。




こうして、フランスは、変態一色に染まられていく。





「2CV」は、その後、1957年に、425ccに



1974年には、602cc 33馬力にまでパワーUP



これを「2CV6」と呼ぶ。*当個体も これ。







変態的機関系にも触れておこう。





「ボディ」は、




インディジョーンズに出てくる張りぼて飛行機みたいな構造で、



軽量化で、屋根はなく、ソフト・トップ




ボディ自体を丸くすることで、ボディ強度を補っている。




実物大ブリキ細工のごとし




この戦前設計のボディを1990年まで作っていたのだから信じられない。









「エンジン」は、




わざわざドイツまで行って買ってきた BMW・バイクのエンジンを



参考に作られた、空冷水平対向2気筒で、前輪駆動



いちよ、電動ファンで、無理やり冷やすようにしてるから「強制空冷」と



いえる。



このエンジンが優れもので、高速で100km、上り坂で90km、下り坂なら



120kmで走れる。



しかも、滅法頑丈なため、いまだに「2CV」は、世界中で走り続けている。







「ブレーキ」は、




通常、ドラムであるが、当「チャールストン」の場合、フロントのみは、




ディスク・ブレーキが奢られている。



その場所が渋い、、



ダイムラーのダブルシックスのブレーキのごとく、車体中央、



つまりは、エンジンの左右真横にブレーキ・キャリパーがある。




まさか、「猫足」を計算して??



常人には考えも付かない、、恐ろしいモデルである。







「サスペンション」は、




変態すぎて説明が難しい、、。




車を下から覗き込むと理解できるが、、前後のロッドが、ボディサイドシル下



で、連結されている。その間には、スプリング(ダンパー)がある。




これにより、通常の2倍 やわらかいサスペンションが実現できている。




このソフトな乗り心地こそ、「2CV」の最大の魅力かもしれない。








「ミッション」は、





4速シンクロ・メッシュ・ギアBOX




ダッシュ・ボード中央に突き出したシフト・レバー、、



シフトの軸自体は、上下左右に動かず固定されている。



押すか引くか、シフト・グリップを左右に倒す しかできない。




説明無しでは どう操作するのか意味不明であろう。




ギア・チェンジは、




レバーグリップのみを左に倒し、前に押すと「後進」




そのまま手前に引くと「1速」



レバーグリップを中央位置に戻し(N位置で)、前に押すと「2速」



そこから手前に引くと、「3速」



レバーグリップを右に倒し、押すと「4速」




文章で読むと複雑そうに感じるが、そんなことはない。




実際に操作してみると、なるほど、これは へたくそドライバーでも



容易に運転できる。









「室内」は、





前述の変態シフトのお蔭で、床からシフトが生えていないため室内空間は




広い。パイプ・フレームで、ハンモックのようなシートは、以外にも




座り心地が良い。 このフロント・シート2客は、簡単に取り外すことが




できるので、旅先(キャンプなど)で外して、外に出し、イスとして使用




できる。




窓は「跳ね上げ式」、、戦前かっ!




ソフト・トップは2段構えで、ワンアクションで、前方50cm位が開く。



そのほか、ホックを外すなどの手間はあるが、ソフト・トップ自体を



ぐるぐる丸めて後部で固定、完全なフル・オープンにもなる。




この開放感が すごい。




日本の「2CV乗り」は、夏場(クーラーがないから)、このソフト・トップ




の替わりに、「すだれ」をかけるというのが流行りらしい。




それで随分と涼しくなるそうだが、フランス人にも教えてあげれば、




あっちでも流行るかもしれない。




「2CV乗り」は「粋」じゃなくちゃ。










「チャールストン」とは、





「2CV」の変態仲間(スペシャルモデルや派生モデル)は沢山ある。



「フルゴネット」「サハラ」「メアリ」「ディアーヌ」「アカディアーヌ」



「アミ」「アミ・シュペール」「ベビィブルース」他





今回は、「チャールストン」に話を絞ろう。




1980年9月に「8000台」限定モデルとして登場。



1920年代を彷彿させる小粋な「コンビカラー」が特徴だった。




「チャールストン」の語源自体は、



アメリカ・サウスキャロライナ州発祥のダンスの名前。



1920年代に世界中で大流行した、、、この時代のイメージ。





このモデルが大ヒット。



1981年から正規カタログ・モデルとなる。



「コンビカラー」は「赤・黒」「黒・赤」「グレー・黒」「黄・黒」の




4色があった。






一斉を風靡した「2CV」であったが、流石に80年代後半に入ると、



注文台数は急激に落ち込んでいく。



そうして、1988年2月、生産拠点であったフランスの「ルヴァロワ工場」での




生産が中止に、その後、生産は、ポルトガルの「マングアルデ工場」に



引き継がれるが、それも、1990年7月 完全中止。




世界中のマニアに惜しまれつつ、最後の1台を盛大なパレードで出庫し、




その偉大な歴史に幕を降ろした。





「2CV」シャーシを持つ仲間も入れ、そのトータル生産台数は、




「8.830.687台」という驚異的な数字を残す。





「2CV」は、20世紀を代表する名車を選ぶ「センチェリー・オブ・ザ・




イヤー」で、ベスト26にも選ばれている。




実は、名車中の名車なのである。














さて、やっと 当個体自体の お話





1990年 国内登録




最終年登録であるが、、正直、ディーラーか並行車か分からない。



というより調べていない。



が、VINナンバーの10桁目が「K」であるから、89’モデルのようだ。




ということは、ポルトガル生産の最終物。




当時のポルトガルからの輸送業況を考えても、新車で日本に持ってきた個体だ




と思われる。




弊社の本業は、ロールス屋であるが、私には、その他のメーカー物で




欲しい、一度は手に入れたいモデルが、300種類ほどある。




これが、「シーザー・コレクション」という部門。




その欲しいモデルの中に「2CV」があった。



何年探しただろう、、5年、、いや もっとか、、。



「2CV」自体は、ごろごろ転がっているが、「極上」の名がつく個体は、



滅多に見つかるものではない。




そう、「2CV」は、自転車代わりに使われるモデルであるから、後生大事に



扱われていることなど稀なのだ。





やっと、見つけた。





走行距離:「32.870km」




走行距離に順ずる素晴らしいコンディション個体。





ボディは、オールペイント済みで、きれい。




「黄色・黒」の「チャールストン」であるが、




謎がある。




専門書によれば、「黄色・黒」は、1982年に追加されたモデルながら



僅か1年ほどで無くなった とある。




確かに、当個体の「黄・黒」は、黄色のカラー部も、黒のカラー部も、




オリジナルの色とは微妙に異なる。




「黄」のオリジナルは、もう少し淡いはずだし、「黒」は、当個体の場合、




「黒」じゃなくて「グレー」だ。。




と、ここで今、電話が






なんと「ファーストオーナー」様からの電話!




実は、この個体のファーストオーナーは旧知の車屋さんだったから、




留守電に入れておいた。で、今 折り返しを頂いたのだ。




車屋さんと言っても、当個体は、社長の趣味で お乗りなっていたもの。




ここんちの社長様は、昔から「シトロエン」ファンで(売っているのはベンツ



だけど)、すっかり、シトロエン変態話で花が咲いた。




聞けば、今も、「DS19」「SM」「XM」を ご所有とのこと。




筋金入りの・・である。





で、当個体の「謎」を聞いてみた!




分かった。




この個体は、ディーラーに「2CV」の売り物が完売になったのち、




探しまくって、「チャッカーモータース」で見つけた、最後に新車並行された




個体だそう。ファイナル・モデルとして販売していたという。




新車で購入したときは、(予想どおり)「黄・黒」ではなく、




「グレー・黒」の「チャールストン」だったそう、、




内装は、「グレー」だったというから、内装も張り替えられていることが




分かる。




平成5年に 1万キロほど走った後、鎌倉の知人に譲り、その方が、平成23年



まで所有、その後、2名ほどオーナーがかわっている。




これで、今のカラーに塗り替えられたのが、平成24年以降であることが



分かったから、なるほど、きれいなわけだ。




社長〜  ありがとうございました!






因みに、「2CV」というモデル、オリジナルに拘る必要は まったくない。




お洒落な自転車がわりの車なわけだから、オーナーが替わるたびに




好きなカラーに塗り替えるくらいが正しい使い道だ。




当個体の場合、それには もったいないほどキレイであるから、その費用は




必要ないが。














乗ってみた。




いやはや、最初は おっかなビックリであったが、5分も乗れば、完全に



つかんだ。 なんて、乗りやすくて、面白い車なんだ!




MAX100kmほどのスピードながら、体感速度は、常に倍




乗っていると、恐ろしく速い車に感じる。




ステアリングを握っているだけで、変態気分に浸れるのは、シトロエン特有の




1本スポークのせいだろうか、、。(初期モデルは2本)




お約束、スポークはセンターから45度ほど左にある。 これで、まっすぐ。




事故時にスポークが体に刺さらないように逃してあるのだ。










診れば 診るほどに、、





う〜む 自動車をいう乗り物の 一つのあり方を教えられる奇特なモデルだ。





ドイツの哲学者「フリードリヒ・ヘーゲル」に




「天才を知る者は天才である」 という言葉あるが、




これは、無論、天才を理解できるものは天才である という意味。





私の言葉に




「変態を知る者は変態である」 という言葉がある。




= 「変態を理解できるものは変態である」




= 「シトロエンを理解できるものは、正しい自動車愛好家である」













まずは、写真47枚を ご参考に↓




変態の世界へ  ようこそ