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RollsRoyce Bentley Specialist

株式会社シーザートレーディング
TEL.
042-480-2222 (
営業時間10:00~20:00)
東京都調布市西つつじヶ丘1-58-12

ROLLSROYCEHEADLINE

 
  AUTO MAKER ROLLSROYCE 
  MODEL SILVER-CLOUD V 
 


 
  YEAR 1962
  EXTERIOR White


(ホワイト)
  INTERIOR Beige ・LETHER


(ベージュ・レザー)
  PRICE \ ASK
  CHASSIS/NO'

SCX129

  AMMENITIES


US仕様 左ハンドル (国内未登録  車検3年付き)



V8 OHV 6230cc   4速コラムAT




スペック:必要にして十分





全長:538cm


全幅:190cm


全高:163cm


車重:2130kg


定員:5人





装備:



パワステ、パワーウインド(4枚)、クーラー、


フロント・ピクニックテーブル、リア・ピクニック・テーブル、 他









稀に見る超極上車



車検:3年付き渡し















 
  COMMENT





「シルバー・クラウドV」





シャーシ&ボディ 最後のクラシック・ロールス「クラウド」シリーズのファイナル・



モデル「シルバー・クラウドV」である。








「シルバークラウド」と名が付くモデルは、1955年に発表された「クラウド1」から



始まる。



戦後1949年発売、「シルバードーン」で始まったロールス・ロイス・スタンダード・サ


ルーンの新型後継モデル。



「クラウド」とは、「雲」、「煙」などの意味を持つが、、「シルバーゴースト」から続く


伝統の幻想的「シルバー・ほにゃらら」シリーズである。




「クラウド」の「シリーズ」を おさらいしておこう。





「クラウド1」は、



1955年〜59年に生産



「シルバードーン」と同じ、直6・4887ccのエンジンを積んだ車ではあったが、



ボディデザインの変更以外にも、機関系には、大幅な改良が加えられロールス社・



直6モデルの集大成、、しかも最後の直6エンジンを積んだモデルとなった。




「クラウド1」の生産台数は、「2238台」(+ロングホイール:122台)。





1959年9月、新設計、総アルミ合金製V8・6230ccエンジンを積んだ「クラウドU」が


デビューする。




この時点からロールス社のエンジンは、このV8 一種類のみとなる。



このV8エンジンこそ、ベントレー「アルナージ」の最終モデルにまで使い続けられることに



なる伝説的エンジン!





クラウド1と2は、シングルヘッドライトの同じデザインのボディと考えてよいので、外観上


で区別することは難しい。



「クラウドU」の生産台数は、「2418台」(+ロングホイール:299台)。






1962年、エンジンの改良(7%パワーUP)とパワステ・サーボ力向上、デュアルヘッド


ライトに変更された(ファンダー形状も異なる)「クラウドV」に進化、、このモデルが、


クラウド・シリーズの最後の作品となる。



「クラウドV」に至っても、エンジン出力などのスペックは非公開で、「必要にして十分


」としか説明されていない。



カタログには、十分という意味の「ENOUGH」と書かれていたが、洋書によっては、


馬力を220ps/4500rpmと明記しているものもある。


それは、馬力課税を採用していた一部の国向けのためだと思われる。









当時の英国の有名カー雑誌「AUTOCAR」などのテスト計測によると、最高速度は、



実速で





シルバードーン:140km(ATで)


クラウド1    :170km


クラウドU   :185km



クラウドV :188km




となっている。




正に必要にして十分、、実際に乗ってみるとトルク感も満点、、これだから、ロールスに乗


るのに「数字」は必要ない。



「クラウドV」は、1962年から「シルバーシャドウ」デビューの1965年の僅かな期


間に、




「2555台」
(+ロングホイール:254台)が生産された。




この台数は 決して少ない台数ではないが、



「クラウドV」は、当時の日常の足用モデル、、多くの個体がボロボロになるまで乗りまわ


された。



ロールスのモデルは、いつの時代も、生産中止後、極上個体が少なくなってから、再評価


されることになる。




おそらく、世界に散らばった「クラウドV」のうち、極上物は、20台に1台くらいしか



残っていないはず、、。



日本人は細かいから、国内でなら、10台に1台くらいは、極上物があるかも、、。












現在では、クラウド・シリーズの一番人気は、ダントツ「クラウドV」となる。



人気の理由は、デュアルヘッドライトのクラウドVのボディデザインが「ファンタムY」と



似ていてカッコイイ・ということ、と



それに、冷静にボディ・デザインを見てみても、この巨大な4つドア・サルーンには、



2つ目ヘッドライトより、4つ目の方が バランスが好い。



「クラウド」には、コーチビルド・モデルで、2ドア・オープン・モデルが存在するが



2ドアとなると、4つ目ライトでは、反対に フロント廻りのバランスが重くなり、



デザインバランスが悪くなるので、



2つ目ライトの 1と2 モデル物ベースの方が人気あったりする。









クラウドVは、ロールス社 最後のシャーシ&ボディの車で、「クラシック・ロールス」と


呼んでよいモデルは、ここまでであろう。そうゆう意味では、クラシック・ロールスの入門


車にして、最高レベルの満足感を味あわせてくれる理想的なモデルと言える。




「クラウドV」人気の秘密は、そのデザインだけではない、、エンジン、機関系が素晴らし


く効率よく、頑丈にできていて「普通」に乗ることができる・ってのも大きい。



正しく整備されていない個体は論外(ほとんどだが、、)ながら、、「普通に乗れる」を可


能にするクラウドVのメカニカルな部分の解説は、最後の章(写真の最後)で、、。









当個体の お話




今年、当社がアメリカ西海岸から輸入してきた個体である。



とはいえ、オーナー様は、旧知の仲の日本人エンスージャスト様



「クラウドV」のコレクターとしては、知る限り、日本一の お方である。



氏が珍しく太鼓判を押す個体であったので、アメリカまで実車を見に行って買ってきた。



日本人コレクターは、恐縮ながら、、アメリカ人コレクターの倍は、、細かい。



それを代表する氏が太鼓判を押す個体であるから、、、



なるほど 行った甲斐があった。









戦前からロールス・ロイスの最大のマーケットは、アメリカだった。



「クラウドV」も、生産された その大半がアメリカに輸出されたから、極上個体を



見つけるという意味ではUSモデルが一番探しやすい。



しかし、それも そろそろ、、



今から、20年ほど前なら、西海岸に多くの極上クラウドが ころがっていたが、



今は、あてもなく探し続けて 見つかるものじゃない。



専門の車屋まわりをしても、難しい。



もう、ほとんど「極上」は残っていない。



これは、アメリカだけではなく、世界的に、同じ、、、ない。



さらに、



当「クラウドV」が、如何に「稀に見る・・」と言えど、日本一「うるさい」、



当社の「シーザー認定・号」とするまでには、更に 手を加える必要があった。



それほど、もはや「極上クラウドV」は、貴重なのだ。








当「クラウドV」は本当に都合の好いクラシックカーである。



オプション装備も充実しているから、このクラシカルな佇まいを持ちながら、パワステ、パ



ワーウインド、クーラー(吹出す口が3箇所にある)、4速のオートマ、、



現在の車とそん色なく快適に運転を楽しむことができる。



この車に乗ると、、車の進化 って、いったい何をもたらしたのか、、考えてしまう。





「クラウド」はハンドメイドで作られている。



開閉部(ドア4枚・ボンネット・トランク・給油口)は、「アルミ」製だ。



使われてる「ウッド」は1台づつ 違う「模様」を見せる。



当個体においては、フロントとリアのピクニックテーブルの木目に注目されたし。



近年モデルのように、どこも同じ「ウッド」材料で作っているのではない。



裏面は、わび・さびの境地だ。






外装:ホワイト




一番人気のカラーであろう。



無論、すでに、耐久性のあるウレタン塗料で オールペイントされているから、



管理は楽。



新車時から50年、オリジナル・ペイントがキレイに残っている・・なんて個体は



皆無であろうが、誰かが、後世に残すため、オールペイントの費用を負担しなければ



ならない。



正しい塗装を施したいから、結構な費用となるが、、



それが、自分の順番の時(所有時)ではないのは、ラッキーだ。



今回、気に入らない箇所の塗装は、当社ファクトリーで やり直した。








内装:ベージュ・レザー





外装と同じように、レストア済み、



レザーもカーペットも張り替えられている。



ただし、その「素材」と「腕」が すごい。




革は、コノリーが まだ営業している(2002年まで)時代に取り寄せたもの、、



のように思える。



現在では、この ごわっとした革は入手できない。(当社なら特注して作らせるが)



(現在、コノリーの名を継ぐ業者があるが、そこの革のラインナップには、クラウド用が


 
 存在する。が、それは、もはや、当時物とは、ほど遠い品だ)





その「でき」は、まるで、オリジナルとそん色ない。



私も当初、オリジナルだと思っていたほど。



だが、よく診て見ると、



新車時のクラウドの「革」より、ほんの少し、「しぼ」が細かく、気持ち「革」が



やわらかい。



これは、革加工業者の技術が進化したためだ。



張り替えた職人の腕も 素晴らしい!



アメリカで、こんな芸ができる業者は、片手と存在しない。



もちろん、日本では、もっと、ない。





そんなわけで、この内装がレストアされたのは、10年以上前のこととなるはず。




ヤレ具合も、ちょうど それを裏づけできる。



現在の風合いは、「クラウド」という車に ピッタリ!



十分にキレイだが、キレイ過ぎず、、。




「ウッド」もキレイだが、キレイ過ぎず、、



昔から乗ってますノリで が 粋ってもん。







「クラウドV」、、どっから どう見ても かっこいい。




そして、なにより、ありがたいのは、この浮世離れした車を



普通〜に乗れる時代が来た ってこと。



それは、研究を重ねたメカニックの お蔭、



現代の技術もプラスして 改良も行うから、むしろ、当時より、安全に快適に走れる。






いまこそ、「クラウドV」の真骨頂を お見せしよう。






その前に、写真68枚を  ↓ 







 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
 



エンジンは、ロールス社・新設計V8エンジン








ロールス社のV8エンジンは、1905年にも試作、完成までされているので、これで2番目となるが、このV



8は、まったくの新設計。



アルミ合金製、6230cc OHV、SUツインキャブ、、、



このエンジン、オーナー、もしくはメカニックが、間違った管理、整備で壊さないかぎり、壊れようがない



ないので、説明は割愛。





標準装備で、パワーステアリング付き、、当個体には、オプションのパワーウインドと後付クーラーも装備



されている。






この時代に 早くも サスの硬さも調整ができる。



ハンドルポスト左脇にスイッチがあり、ノーマルとハイ(高速走行時などで利用)を切り替えられる。





クラウドのメカニズムで、特筆すべきは、油圧のブレーキ廻りであろう。



4輪ともに、ドラム・ブレーキではあるが、前輪の油圧系パーツは、「ロッキード」製、後輪パーツには、「



ガーリング」製のものが使用されている。





更に、これに、「メカニカル・サーボ・ブレーキ」の機能が加わる。




戦前の名車「イスパノ・スイザ」が特許をもつ、「メカニカル・サーボ」、、、ロールス社は、1925年のフ



ァンタム1から使用している。



国内各所で行なわれているクラシックカー・ラリーやフェスティバルに戦前のロールスが、まるで普通に参



加して走行しているが、それは、このブレーキシステムの恩恵によるところも大きい。



このシステムは、エンジンの回転(ドライブシャフトの回転)からパワーを取り出し、ブレーキの効きを増



大(アシスト)するもので、簡単に言ってしまえば、パワーブレーキだ。



よって、ドライブシャフト回転数が高い(走行速度が速い)ほど、アシスト力は増大する。




シャドウ以降に採用されるシトロエン特許のハイドロとは、まったくシステムが異なる。



私個人の感想だが、ほんの20年ほど前まで、このブレーキシステムを多くの日本人メカニックは、完全には



理解していなかったのではなかろうか・と思う。



なにせ、当時は、クラウドのブレーキは、効きが甘くて普通、、なんていっていたものだ、、。



これが、バブル景気のお陰で、多くのクラウドを含むクラシックロールスが海外から輸入され、メカニック



も数多くの個体の整備が出来るようになった・・・お陰で当社でも完全に整備できるようになった。



正しく整備されたクラウドのブレーキは、まったく恐いものではない。普通に乗れる。



ご納車時には、メカニカル・サーボのシステムの説明と実際に走行した上で、その特性を体感していただい



ておくと、いっそう普通に乗れる。







当個体、



エンジン・ルームは、レストアされていない。



オリジナルでキレイなのだ。



このあたりのキレイさが、当個体のベース・コンディションの良さを物語っている。



とくかく素性の よくない個体は、いくら金を掛けても 無駄。



世の中には、どうにもならない個体も 普通に売られていたりするが、、それを1千万円以上かけてレスト



アするくらいなら、完成車を買ったほうが安い。





実際に走らせて見る:






なんという乗り心地の良さ、、



ふわっとしてはいるが、ボディが重いせいで、どこか どっしりもしておる。



加速も十分



4速だけで、どこでも走れるが、馴れてきたら、発進時だけは、3速が よかろう。



3速で発進して、ちょいとギアを引っ張ったら、4速にシフトUP、、



この走り方をすれば、「クラウドV」が、「速い」車だと理解できる。



ブレーキング時も同じことで、4速から3速にシフトダウンして エンジンブレーキも併用するのがベスト




あと、ロールス乗りは、左足ブレーキを覚えるべし。 (理由は、いろいろあるので、、聞いて)









「クラウドV」、普通に走らせているだけで、




 至福のとき、、