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Rolls-Royce Bentley Specialist

株式会社シーザートレーディング
TEL.
042-480-2222 (
営業時間10:00~20:00)
東京都調布市西つつじヶ丘1-58-12

CAESAR COLLECTIONSHEADLINE

DAIMLER

 
  AUTO MAKER DAIMLER 
  MODEL DS 420 LIMOUSINE 
  YEAR 1990 
  EXTERIOR JET・BLACK/MAROON

(ジェット・ブラック/マルーン)
  INTERIOR BLACK・ LEATHER 

(ブラック・レザー)
  PRICE \ ASK
  MILEAGE 19.805マイル(31.688km)
  AMMENITIES


本国仕様 新車並行車 右ハンドル    



直列6気筒DOHC 4230cc 3速フロアAT XKエンジン






全長:574cm

全幅:197cm

全高:162cm

重量:2240kg

定員:7人



*装備:


パワステ、パワーウインド、電動パーテーション、



オプション装備


・ジャンプシート X2


・本革シート


・リア・カーテン


・リア・センター キャビネット


・ロイヤル・ドルトン クリスタル・ボトル X 2


・前後エアコン


他多数






外装:普通


内装:極上


機関:パーフェクト整備納車





車検:平成24年7月24日までのため、2年付き渡し







 
  COMMENT

ディムラー「DS420」リムジン。




ご説明を少々。


1893年創業、イギリス最古の自動車メーカーにして、最初のイギリス王室、及び最初の日本の


皇室ご用達車となった名門「ディムラー」、、この「DS420」が事実上のディムラーの「格式」を


継ぐ最後の作品と思ってよい。





ジャガー社が「ディムラー」ブランドを手に入れた(買収した)のは、1960年のこと、、この


格式高いブランドを手にしては、ジャガーブランドでは歯が立たない最上の市場を


狙いたくもなる。


早速、当時のロールス・ロイス、ファンタム5に対抗するためのモデル(リムジン)計画がスタート


した。



それが、「DS420」。




実際の発売は、1968年、R・Rファンタム6の発表年と同じ年のことである。


ボディデザインは、ジャガーの大型サルーン・420Gをリムジンに発展させたもの、、シャーシも、


ジャガー420Gの構造がベースとなっている。


エンジンは、同じ68年に登場したXJ6のDOHC4.2L、XKエンジンを流用、


このエンジンとシャーシまでの製作工程はジャガー(ディムラー)社が担当、、ボディパーツは、


「モーターパネルズ」社が製造していたものの、最終工程、仕上げを、あの大御所コーチビルダー


「ヴァンデンプラ」社のロンドン工場が担当、という鳴り物入りであった。


*残念ながら、バンデンプラ社が担当していたのは、1979年までのことで、(この年、ヴァ


ンプラ社の経済的理由から製造部門が閉鎖になったので)、その後のDS420は、ジャガー社のブラ


ウンズレーンの工場で、厳選された専門の職人により完成させることになる。



実質的な販売価格は、ファンタム6の5分の1にも満たない金額(仕様による異なるが)ながら、


名門ディムラーリムジンの復活に、早速、世界中の王室、貴族、VIPから、オーダーが


舞いこむ。


イギリス王室からもオーダーが入り、皇太后の専用車輌として1970年式を始めに複数台が作ら


れている。


また、イギリスの政府高官車にもなり、例えば、映画「007」に登場するボンドの上司「M」は政府


高官にあたるので映画中、必ずDS420に乗っている。


映画といえば、あの映画化にもなった大金持ち、「ハワード・ヒューズ」がオーダーしたリアシー


トの下に「トイレ」を付けた特注DS420は有名で、手放した後、オークションで高値(2004年に


$97.200)で取り引きされた。




DS420は、細かい改良は行われたものの、基本設計を変えることなく1992年の


オーダーストップまで、34年間にも渡り生産された。




総生産台数は「4141台」





「DS420」は、1988年〜1992年に生産されたモデルが「ファイナル・シリーズ」。



1987年以前モデルは、ウレタンではなく、アイアン・バンパーなので、すぐに



判別できる。



「ファイナル・シリーズ」生産台数



1988年:121台


1989年:161台


1990年:141台


1991年: 96台


1992年: 22台     トータル:541台




飾るなら、前期モデルでも良いが、乗るなら、GM400型ミッションの採用など、各部に



改良が施された 「ファイナル・シリーズ」がベスト。









ファンタム6でさえ、1990年にオーダーストップし、時代の波に逆行するクラシックリムジンの


需要は、激減していたこともあるが、DS420の最終的な生産中止理由は、親会社となっていたフォ


ード社からのDS420「作業場所」の明け渡し命令だったという。


ハンドメイドで作られる「DS420」に要していた「作業場所」は、広大で、フォードは、この場所


に最新モデルの「ライン」を作りたかったのである。




こうして、伝統と格式あるディムラー・リムジンの歴史は、完全に終わりを告げる。







さて、当車輌、




以前弊社で販売させていただいた「シーザー認定中古車」、



国内初年度登録は、1994年のことであるが、本国より新車で輸入された個体が、


バブル崩壊で売れ残っていた1台である。


シリアル・ナンバーから 察するに 90年モデルであるが、完成には 1年〜2年を要して


いたため、日本には、91年の終りから92年ごろに到着しているものと思われる。


多くの「DS420」が、この登録ズレの運命を抱えていたし、数十台の売れ残り「DS420」が


存在していた。




「DS420」というモデルは、ファンタム6と同じく、完全オーダー・モデルで、


ほぼ全ての装備が 現地ではオプション設定であった。



例えば、、当個体でいうなら、、



エアコン、パワーウインド、電動パーテーション、時計、コンビカラー、ジャンプシート、



カクテル・キャビネット、リア・センターアームレスト、リア・エアコン スイッチ及び



エアコン吹出口、リア・ヘッドレスト、リア・ロールカーテン、リア・サイド カーテン、




ドア内張りポケット、オーディオ、スピーカー、ロイヤル・ドルトン ボトル、本革シート





など、、当個体は、フル・オプション物である。



国内に持ち込まれた個体は、多くの場合、オプション装備・充実であったが、



リアのセンターキャビネット(これだけで200万円くらいしていた)とジャンプシート、



サイド・カーテンまで選択されている個体は 珍しい。







現在の走行距離は、19.805マイル=31.688km!





以前は、結婚式上で使用されていたので、実用優先で サイドミラーを大きなものに変更している



が、もちろん、オリジナルに戻すことも可能だ。



ただ 「営業」で お使いになるから、このミラーは、非常に有益であろう。










下記より、写真69枚&当車輌の詳細を↓





 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
  

外装は、2トーンカラー、下部が正式名称「ジェット・ブラック」と呼ばれるソリッド・ブラック



上部が「マルーン」



如何にも英国リムジンというカラー選択。



まるで、英国ロイヤル・ファミリー所有車 といった たたづまい。






上記2色は、DS420の標準カラー(2トーンカラーは有料オプション)、当時のカタログを見てみると、外色は8


色が標準、もちろん、オーナーが望めば、オプションで、無限に好きな色を選択できた。




現在の塗装コンディションも悪くない。



よく見れば 一部に 劣化した箇所があるにはあるが、このままで充分キレイ。








全長は、574cm、全幅:197cm、全高:162cm、車輌重量:2240kg。



6mを少し超える「ファンタム6」より、一回り小さく、現行モデルの「ニューファンタム」(全長:583cm、



全幅:199cm、全高:165cm)とは、ほぼ同じ大きさである。迫力満点。



ただし、この車にロールスロイス・ファンタム6のクォリティを求めてはならない。



新車価格が違いすぎる。双方オープンプライスで(オーダー内容ごとに価格は異なるが)、記憶にある限り、DS



420が最も高額で販売されたのは、1980年代の終わり頃、目黒通りの某車屋さんで3600万円のプライスを付



けていたのが最高額(因みに、その時、その車屋さんで在庫していたファンタム6の新車は2億5千万円のプライス



が付いていた)、90年から91年ごろには、DSの輸入台数が増え、定価2550万円とする車屋さんが、ほとん



どとなる。



それでも、決して安い車というわけではないので、念のため、、。



聞くところによると、ディーラー車も2台ほど存在するらしいが、過去には1台しか見たことがない。



また、DS420をロンドンタクシーのデカイの位にしか思っていない、という方がいらっしゃれば、それも違う。



DS420の方が遥かに上のクォリティだ。




どちらにせよ、1960年代のデザインのまま、1990年代まで製造されていたクラシック・リムジンは、「ファ


ンタム6」と「DS420」の他、世界に類を見ない貴重車。



趣味の車としてオーナー自ら、ハンドルを握るもよし、、、



運転手付きで後ろに乗るもよし、、、



ただただ眺めるもよし、、、



営業車として結婚式場などの送迎で使用(室内が広く、天井が高いので、花嫁を乗せるにはもってこい)するもよし




用途多様。


 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
  

内装は、「ブラック」レザー。





写真の通り、コンディションは、流石に低走行車、すこぶる良い。



レザーには、スレ、ヤレも殆ど無い。


ウッド部分に、よく見ると、数点薄いクラックがあるが、手直しを必要とするレベルのものではない。艶も充分。


全体に◎。




新車時、内装(シート等)素材は、3種類から選べた。「本革」、「ビニール」、「布」であるが、当車輌は、「本


革」仕様、これもオプション。


ただし、本革を使用しているのは、全シートの表面とドアとっての表面のみで、シートサイド、ドア内張りなどは、


ビニールレザーを使用している。


これは、コストを安くするため、ひいては販売価格を安くするための手法で、ディムラー・ダブルシックス(93年


まで)などでも、同じ手法で張られている。



これが最も高額パターン。ビニールレザーも、よく出来た品物で、色、風合い共に、本革とほとんど変わりがなく、


オールビニールレザー仕様のDS420も珍しくない、が、そうなるとやはり、完全に営業目的の車となる。



当車両で、特筆すべきは、前述の通り、豪華フルオプション!




リアシートは、ファーストクラスのよう、、。





とはいえ、英国の正しいリムジンは、後ろの席に座っていようとも、飛行機のファーストクラスのごとく、寝そべっ



たポジションにはならない。



あくまでも、馬車から発達したもの、、座るとわかるが、この車は、現在の紳士・淑女のための馬車だ。


 
   
   
   
   
   


エンジンは、ジャガー製、XJ6で使用されていた定番の直6DOHC4.2L。



ファンタム6を見習って?最後まで整備性を重視し、SUツインキャブ。





プラグが、エンジン上部に整備性よく並んでいるが、、これなら、「運転手」でもプラグ交換に苦労しない・・


というわけだ。



さらに、最後まで 「手動チョーク」を採用していた。



原始的であるが、、これが もっともシンプルな構造で作れるから・・という理由。




近年では、英国ロイヤル・ウェディングで、ずらりと「DS420」がパレードに参加していたのが記憶に新しい。



いまでも、現役。


これからも現役で 使い続けられるであろう。







古き良き時代の英国製リムジン。



なんともいえない雰囲気を漂わす、、エンジンは、定番、定評あるジャガーのストレート6だし、機関系も至ってシ



ンプル、整備性も良く、将来的にもメンテナンスで困ることも無い、、しかも、図体のわりには、目線が高く、普通



に乗れる。




こんな車が、1992年まで作られていたとは、、イギリス車は奥が深い。






ロールスの「ファンタム6」は、90年シリナルが最終、デリバリーは、92年で終わったが、、





同じ年、「DS420」も生産中止、、




英国車の 一つの時代が終わった。





「ディムラー」という格式、、「ブラウンズレーン」の熟練工の魂が感じられる最後のモデルが、




「DS420」である。